無題

自分のことばで語るっていうのはとても難しいことなんだ。
なぜなら、それが自分のことばであるか、どこかで使われていてふとした弾みで出会ったことばなのか、それ自体が判別できないくらいに、ことばが溢れかえっているからだ。
また、実際、ほとんど全てのことばが使い古しなのではないかと思えるほど、ことばによる表現の世界は、なかなかに煮詰まっているのだ。
「ぼく」のことばで語ることは、本当に困難だ。
そのためには、真正の想像力が必要なんだと思う。想像力は、「ぼく」であるための杖であり、杖がなければ歩くのが難しい世界なのだが、真正の想像力など、では、誰が持ち得るであろうか。

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