アートの記録・・・順不同

春に滑り込みでいくつかのコンサートや映画に足を運んだ後、アートのない日々は本当に何もない白黒の世界という感じだった。
6月以降、様々な場所に足を運んだが、印象深かったものを書き記しておこうと思います。

stars展
 苦手の村上隆を初めて面白いと思った展覧会でした。李禹煥も面白かった。

小野リサ
 ブルーノート東京。感染広がる時期に、よくぞ公演を・・・。公演の最後、アンコールは上を向いて歩こうだった。感涙。彼女を聴くのはこれで3回目かな。前とずいぶん間が空いたが、風格漂う、軽やかなのに、太い幹のようでもある。

東京都交響楽団in保谷
 初めてのホール。オーボエ協奏曲とロココの主題。
 ロココを弾く岡本侑也は逸材だった。オーボエの副田真之介も健闘。でもまだまだパレットの上に出ている絵具の色が少ないなって感じ。梅田俊明指揮のオーケストラは、堅実。最小編成のオケだったが、オケが聞けるということだけで、これほど心が動くのか、と改めて思う。

名古屋フィル定期演奏会
 広上さんのショスタコーヴィチ9番。これで1、5、6、7、9、10 、11 、12 、15 番をライブで聞いたことになる。死ぬまでに全部聞けるかな。聞けるといいな。ヴァイオリン協奏曲も新井英治のソロも素晴らしかった。シチェドリンはどうにも好きになれそうもなかった。

盛本学史個展
盛本さんの絵をまとまった形で見るのは、彼の富良野にあったアトリエ以来かな。二人で30分くらい話せて楽しかった。花火がいい。今年は花火が欲しいと話した。

太陽の森 ディマシオ 美術館
ジェラール・ディマシオ 。ぼくは、こうした幻想絵画、みたいな領域は苦手なのだが、牧場を抜けて、どこまでも奥へと入り込んでいく道の先にあるロケーション、圧倒的な数の作品群。さすがに見応えがあった。彼の中にある古典への羨望みたいなものも、何というか、好ましいね、今。

くにたちスタジオ寄席
地下のスタジオには、よく知った客と、そして地元の数名の小学生・中学生。国立はハイソなところだな・・・。落語はいい。立川一門の、ここでの愚直な取り組みもいい。応援しなくちゃね、もっと。

木下大サーカス
ホワイトライオンはもちろんだが、とにかく、出し物の組み合わせ方、観客の視線の動かし方、もう最高峰のアミューズメントよね。学校や授業がサーカスになればいいとは思わんが(笑)、ここにはカリキュラムマネジメントがあり、一斉授業の極意があり、最高峰のしつけがあり、観客を引きつける動機づけと感動があり 笑 概ね学校にないものばっかりある。

フレップの花、咲く頃に(札幌座)
札幌座のお芝居は好き。この作品は、啓蒙的な作品よね。いつか見た坂手洋二燐光群の芝居を、もう少し優しい口調にしたような・・・。戦後直後の樺太が民族共生の坩堝であったことを芝居で伝えていくという・・・しかし、フレップ(コケモモ)が仕掛けとしてなんだか不十分。フレップをよく知る者には、あのどうしようもなく小さな実がどのくらい腹の足しになるのか、想像できない感じ。つまり、それほどまでに集めるとすると、相当の重労働なんだが、そういうニュアンスは十分には伝わらず・・・。最後にそれぞれの人生の行く末を「解説」するのも、その必然性も十分感じつつ、なんだかモヤモヤした。