アートを旅する 2021年8月上旬(補筆8/20)

中部フィル。秋山/竹澤/都築由理江。ショスタコーヴィチ「祝典序曲」、チャイコフスキー「Vncon」、サン=サーンス「オルガン付き」。愛知芸術劇場。中部フィル初めて。地方オケを精一杯応援したいが・・・竹澤と勝負する気概薄く。オルガン付ももっともっと鳴らして欲しいと思うのだが。多少の破綻を恐れぬ前のめりな演奏を期待したんだけどな。

ヤマザキマザック美術館。特別展「名古屋城からはじまる植物物語」。これはぶらっと入ったが拾い物。見応え満点だった。切れ味鋭いコンセプト展はおもしろい。「書き写す」という文化について色々考える。やっぱり子ども達は書き写す機会が決定的に不足しているんだと思う、これは展覧会とは関係ない話だけどね。

伊藤圭介という人物のおもしろさに圧倒され、魅了された。

「竜とそばかすの姫」。細田監督作品をちゃんと劇場で見るのは久しぶり。お得意の楽しくクリアな「絵」は健在なのだが、やっぱり脚本がダメだと思う。虐待、こんなちゃちに描いちゃいけないし。美女と野獣がモチーフとは言え、女性のステレオタイプな描き方も。弱い女の子が強くなるというストーリー、正直辟易とする。

ELEVEN NINES”プラセボ/アレルギー” 生活支援型文化施設コンカリーニョ。

札幌演劇シーズン2021-夏の演目の一つ。富良野塾をスタートにした納谷真大に劇団。久しぶりに見た。納谷がやや一本調子ではあるが怪演。客演の東李苑さん、好演。

プラセボ、アレルギーというワードが十分に脚本に生かされているとはぼくには感じられなかったが、でも暴力・暴言・・・コンプライアンス遵守・ポリコレ全盛の中で、しっかり表現の方法・手段としてそれらがど真ん中に「わざと」投げ込まれていて気持ちがいい。個人的には何度か足を運んだ富良野演劇工場で見た富良野塾富良野Groupの(倉本聰の)残滓がくっきりと刻印されている瞬間が、なんだか嬉しかった。ドラマがちゃんとあるって、いいなと思う。

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