すぽんじのこころでつぶやく 2021年10月下旬

1 フリッチャイ&ウィーン響。ジュピター。ぼくがこの時代に生まれてきてよかったと思える音楽、演奏の一つ。ぼくはこの素晴らしい演奏に中学生の時に出会ったんだ。

 

2 正気で暮らすこと。ゆっくり歩くこと。フォーカスし過ぎないこと。アートと暮らすこと。

 

3 毎年のことだが、この少し前くらいの時期からTwitterもFBもいいねやらエンゲージメントやらの数値が一気に下がってくる。ぼくは特に書くことは変わったりペースが違ったりしていない(はずだ)から、つまり大方の教職員にとって発信はおろか返信する余力がない季節に突入したということなんだとわかる。

 

4 気持ちはよくわかるけど。。。「手当」が役職認定とともに固着されることで、業務風のことまで当たり前にやらされることになるんですよ。うまく行ってない厳しい学校ほど。これまでも何度も書いてきたけど、組織開発に本気でコストを掛けないと、解決にならないんですよね。今までだってできる人が死ぬほど働いてきたのですよ。必要なのは新しい金銭的インセンティブではないとぼくは思います。インセンティブってことなら、必要なのは気兼ねなく取れる休暇。出世や発表をちらつかせない自主研修の権利です。

 

5 グラーデン&聖ヤコブ室内合唱団。デュリュフレ”レクイエム”。全ての音楽録音の中で最も美しいものの一つ。自分の限られた人生の中でこの演奏録音を聴けて幸せだ。

 

6 かつて岩瀬直樹さんと「教室をアイランドにすると授業が変わるよね」と話したことをよく覚えている。無邪気だったなあと思う。授業はツールや手法を放り込んでもほぼ変わらない。その前に耕さなきゃいけないことがあり、しかもそれは何度も腰を入れて鍬を入れる。でも腰を入れているとはできるだけ見えないようにやる、そういうクラクラする営みを必要としている。  ここまで

 

7 朝から反田さんのショパンコンクールでの健闘が報道されている。小林さんも注目だ。奈良で聴いた反田さんはアグレッシブな若武者だった。ワルシャワではどうだろう。今朝は大好きなコルトーの2番コンチェルト。ピアノの下にバケツ一杯音符がこぼれていそうな技巧なのに、胸を打つのはなぜだろう。

 

8 国立音大大学院オペラ。コジファントゥッテ。学生のひたむきさに心揺さぶられる。この物語を選ぶことの深謀遠慮も。同僚の音楽教員が酔うと卒業公演オペラのことを話してくれたのを思い出す。この日この場面が音楽人生最高潮の輝きかも知れない。人生はビターで豊かに複雑なハプニングの連続なのだ。

 

9 ふう、少し疲れた。大変な事態があちこちで進行しているんだな。みんな正気で暮らすのが難しい。

 

10 若手役者が投票呼びかけ動画を流しているのをサンデーモーニングが取り上げていた。これまでとは違って政治的発言をしている、ともちろん肯定的な取り上げ方だが、投票呼び掛けのどこが政治的発言だ? 政治的発言っていうのは自分の政治的立場の表明でしょうに。。。投票呼び掛けが政治的発言とは…。

 

11 スイッチONスイッチOFFのハンドルを子どもたちに預けられているか。ツールの良さと弱さとを子ども自身が吟味できる学習過程になっているか。

 

12 ちゃんと聴いてなかった緑黄色社会とグールドのモーツァルトを多賀さんとの二日間でちゃんと聴き直した。気に入って聴いている。緑黄色社会、ライブを観たい

 

13 ぼくは朝ドラの最終週が苦手なのを思い出した。というか、そこまでやり散らかした中途半端な伏線をなんとか回収しようとする感じに、やり散らかした自分の学級づくりや授業づくりが重なる。とはいえ、おかえりモネはとても良かった。毎朝バンプに勇気づけられて現場へ向かえる時間はありがたかった。

 

14 ずうっとまるで公開処刑のように続いてきた人権侵害。結婚をもって、もう終わることを切に願っている。本当にひどすぎることだった。この国のジャーナリズムにも、また人々の人権意識にも、絶望してしまうほどひどかった。ぼくはこの国が大好きだが、大嫌いになってしまいそうなほどだった。

 

15 授業はユニットやパーツ、分割方式などによる構成によって「だるま落とし」のようになった。2000年前後からの学級崩壊から広がり、指導案の段階との親和性も良く安定的に利活用されている。今この成功体験を手放すのが難しい。「対話」も「ICT」もだるま落としのパーツの入れ替えで消費されている。

 

16 我が子がどういう学力状況・生活状況なのかを見定めて、「その子に合った」学校を探すという発想の前提に「財力」「利便地」があることに気づいていないのだろう。まあ、そういうことは、本当の悲哀を感じたことのない人には、想像が難しいのだろう。

 

17 ぼくが床屋が嫌いなのは、自分の顔をずうっと見ていなければならないからなんだな。

 

18 隣のクラスが崩壊した時どのように対処するか。崩壊学級の隣で担任稼業を続ける先生がどれほどまでに傷ついているか。そういうことがちゃんと語られないといけない。

 

19 朝1on1。東京、大阪、千葉の3人の方と。これで10月の対話終了。明日から11月がスタートする。10月実績はぼくの事情もありまたキャンセルもありいつもより少なく55時間。11月は10月分の変更もあるので78時間の予定。一番しんどい時期丁寧にばん走したいと思う。良い朝だった。

 

20 決して実施されることのない行事の計画を延々と立て続ける日々だったのである。「賽の河原」だ。ぼくは結局これが一番教職員のダメージを蓄積することになったと見ている。そんなの学校裁量でなんとでもなったでしょうと、外野はいうのかも知れないが、まあ学校ってところはそういうところではない。

 

21 ぼくが仮に教員採用試験を受けていて不合格だったとして、それがyahooニュースのトップ項目に並んだりしたら、ぼくはとても生きていけそう気がしない。やってることは、そういうことだ。

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