すぽんじのこころでつぶやく 2022年1月上旬

1 同じものを見ているのに、どうしてこんなに違ってしまうのだろうと思うことはよくあるが、それは当たり前のことなのである。当たり前がそもそもみんな違っているわけだから。

2 ちょんせいこさんと出す予定の国語の本。企画が上がり執筆に取り掛かり、もう4年になっているだろうか・・・。これをちゃんと出版すると決める。これを出さないと次に進めない。今日は数十項目ある「註」のうちの3分の1を書いた。原稿も古くなってしまっているところもある。直さなければならない。

3 ぼくは、来年度から現場に半分戻れるわけだが、おそらく「探究」も「個別最適な学び」もしないと思う。ただただちゃんと腰を据えて「授業」をするのだと思う。「探究」も「個別最適な学び」も目指すものではなく、結果としてそうなったものにつけられた暫定的な名称に過ぎない。「目指した結果実現したと称されるもの」のほとんどがろくでもないものになることは、歴史が雄弁に証明してきているはずだ。

4 彼を一時でももてはやしたぼく(ら)の責任は重い。いつかどこかで自分の責任も果たさなくてはとずうっと思っています

5 フリッチャイ&ベルリンフィル新世界より

6 ぼくがここしばらく方々で見ている「評価」に伴う激症は教師自身の「子どものことを知らないと気が済まない病」と「評価の妥当性への疑問を突かれたくない病」の合併症だろう。評価(特に総括的評価)は子どもが納得しているかどうかでしょ? 評価者被評価者の信頼がベースにあるかどうかに尽きる。

7 繰り返し書いてきたことだが。個別最適な学びは、真面目な教師によって、詳細なカンファランス的アプローチや詳述されたルーブリックアプローチになっていきがちだ。それは生徒指導でスカート丈まで測るようになったあの馬鹿馬鹿しさと紙一重だ。子どもは大人に「生暖かく」見守られたい存在なのでは?

8 暑さ寒さも彼岸まで。とすると老いて死ぬとはその暑さ寒さが分からなくなる向こう側(彼岸)へ行くってことか。今朝は寒かったのに寝ている時全くそう感じなかった。目のひどい痛みは風呂に入ると治った。身体の冷えに気が付かない彼岸の身体。死に向かっていくとはそういうこと。今日は亡き母の誕生日。

9 あすから1on1オンライン対話スタート。実は1on1対話には課題がある。とにかくお腹が空くので終わった後深夜に食べ過ぎるのだ。対話はシビアなものも多くすぐに眠れないこともその状況を助長。大きな課題だ。ほとんどの対話にメモを残し共有する。昨年メモは1000を超える。頭は栄養を必要とするんだ。

10 セブンイレブンまで歩いていくと、雪道を向こうへと動物の足跡がたくさん続いていた。タヌキだ。

11 電子ケトルにしようかなと思いながら、何年も使っているやかんに申し訳なくてずうっとそのままにしている。

12 本州はもう学校が始まるんだな。北海道の学校がよかったのはこの3学期始まりの遅さだ。ぼくは在職時はこの時差を利用して本州の先生の教室やフリースクールを見せていただいた。逆に夏休み終わりは半月早いから、本州の先生は北海道の気になる教室があればその時期に観に行けばいいのになと思う。

13 「教室で、暮らすように過ごす」は文字通り比喩なのだ。教室はどこまで行っても暮らす場所にはならない。そういう当たり前の前提があってはじめて「教室で、暮らすように過ごす」の比喩が成立し、しかもその言葉の重みが了解される。

14 秀逸な比喩がいつの間にか現実と入れ替わって雄弁に語り始める場面に時々出くわす。もちろん秀逸な比喩は現実世界を拡張したり時には変えたりする力を持っているのだが、それが元々比喩であったことはやはり心に留めておかなければならない。

15 新しい実践に取り組むたびに、少なからぬ同僚を苦しめることになった。原稿を書くたびに、誰かを傷つけることになった。若い時はそれでもいいといきがって思っていた。後年は、いつもいつも申し訳ないと思っていたし、苦しかった。

16 100メートル先のゴミステーションにゴミを出す。氷点下24℃。死を感じるほどのこの恐ろしい青空の下で生きている生物たちの凄み。フォーレのレクイエム。今日はずいぶん久しぶりにアンゲルブレシュトで。らんちゅうと聴く。

17 ぼくはずうっと考えている人が好きだ。すぐにわかったという人が苦手だ。ずうっと思索し続ける人に憧れるし、自分もそうでありたいと思っている。

18 『わかるさんすう1 』「こどもがでてくるひきざんのもんだいをつくりましょう」。うららは「でてくる?」と問い返します。『でてくるは、使ってという意味だよ』というと「ああ」と言う。おもしろいね。なぜ前のたしざんの問題で、車庫から自動車が出てきますと説明したのか理由がわかった。

19 朝からお二人と。お二人とも採用3年目。若武者だ。最近の若手の先生に「武者」という言葉が重なることは少ないか。議論の場をを迂回するから…。健全な論争か。教育論争多くは不毛な展開という指摘もあるがでも明らかにかつての方が質も互いへのリスペクトの点でも健全な論争が展開されていたようだ。

20 学校単位・地域単位での変革。僕はキーマンが去った後の継続性にのみ関心がある。継続「性」なのは、同じことのやり続けではなく、変革のマインドの継続がなされているかという意味だからだ。目鼻立ちのくっきりしたリーダーがブイブイ席巻した後、草も生えない荒野になる例をたくさん知っている。ぼく自身も、ほとんどうまくいかなかった、ということ。自戒です。

21 マイマイガの大発生が、幼虫に着く菌?の増殖によって、まさに不意に終わるのを目にしたことがある。それは本当に不思議な光景だった。コロナも間違いなく人為ではなく自然の摂理によって終わるのだと思う。

22 CLPの件非常に深刻。立憲民主党の対応の鈍さも十分に幻滅と諦めを感じるに足る状況。ぼくのように思想的にはリベラルからレフトに寄るポジションの者に議会制民主主義における投票先が見通せない状況は甚大だ。雑駁に言えば右も左もちゃんとあるから選択も成立する。今のこの状況はもう絶望に近い。ぼくの場合はだからと言って、山本さん的なポピュリズムには与したくない。そうした振れ幅で物事を判断するのは、少なくとも政治的には成功例はないと思っている。

23 体調の悪い1日だった。とても悲しい連絡も一つあった。とことん難しい仕事になった、教員は。諦めてはいけないが、休息が必要だ。

24 何をするにも体力が必要なのだ。無論それは気力ともくっついているから、結局一年間質を保って持続可能に働き続けるには、しっかりした体力が必要ってことなのだ。

25 ただ、ぼくは絵本にはちゃんと良し悪しがあると思っています。読み聞かせでは、選球眼を研ぎ澄ましています。絵本としてはまるでダメなものはちゃんとあります。この辺りは今結構深刻な問題をはらんでると思ってます。

26 以前に子どもたちと星占い作文を書いていて、都合の良い占い結果を書き上げるのはたやすいと実感しあった。一方で野口芳宏さんに指摘されたのだが「上手に書く(書かせる)」のは、ここにも相当の技術・熟練の技があるのだった。

27 マタンゴがトレンドに・・・.

28 大雪でいろんな予定がズタズタに。ここにはまだいないはずだった仙台で朝を迎える。1on1オンライン対話の予定も変更になる。快く変更を受けてくださったみなさんに深く感謝。学校訪問調整も必要になりそちらはこれから。おそらくオミクロンでの変更も出てくるのだろうな…。仕方がないことばかりだ。

29 それは誰に対する親切心なのだろうか。

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