おそらくは、猛烈に場違いな原稿を載せていただいている。

算数の授業中、どうしても落ち着かず教室内をぐるぐる立ち歩き始め、周囲の子どもにも話しかけたり関わったりしようとする場面も見られる。「どうしても落ち着いて説明が聞けないようなら、廊下で少しクールダウンしようか」と先生に言われ、「○○(先生 の名前)クソだ、クソだ」とぶつぶつ呟きながらも、自分専用のタブレットを持って廊下に出る. 。廊下に出たその子は、入口付近の床に座り、タブレットをいじり始める。もっとも何かを熱心に見たりしているわけではない。全然楽しそうではない。その子のそばにそうっと寄って行って座り,インタビューする.。

「算数の授業面白くないのかい?」
「算数だけじゃない,他の授業も」
「好きな授業はあるの?」
「ない」
「学校でどんなことができれば楽しく通えそう?」
YouTube とか,時間に関係なく見れればいい」

・・・・・・

 

旭川駅のイオンのフードコートの真ん中でこの記事を書いています。

そこにはフードコート唯一の電源テーブルがあり、ここが開設された当初は若者がいつもここを占拠していました。でも、コロナが始まる少し前くらいから、ここに座り、フードコートではなく、イオンの食品コーナーや周辺のショッピングセンターで購入した安い惣菜を持ち込んでスマホを充電しながら座っている高齢者の姿をたくさん見るようになりました。

今日は旭川の最低気温は氷点下12度くらい。この時期の旭川なら普通の気温だけれど外で過ごすのは厳しい。今ぼくの横に座ってスマホを見ているおばあちゃんもまさにそういう一人で、よく見ると、カラオケショップ(まねきねこ)の手拭きがあり、大きな荷物をイオンのカートに載せている。メガネをずらして、数センチの距離まで目を近づけてスマホで何かを見ている。その姿は、多分、この国に生きる限りにおいてすぐ未来のぼくの姿でもあるだろうと、容易に想像しうるわけです。

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国際大学GLOCOMの豊福晋平さんが、『智場NO.124』への原稿依頼をくださいました。「晋さんの見ているものを、ICTとかにこだわらず書いてください」という依頼。おそらくは、猛烈に場違いな原稿だと思うのだけれど、それがこの本にあるべきだと考えた豊福さんに深い敬意を表します。

みなさん、ぜひ読んでみてください。