すぽんじのこころ 2022年9月下旬

1 昨年今年は学校長が病んでしまっているという話をよく聴く。病んでいる学校長はお気の毒だがそれがパワハラ指導の形で職場を直撃するケースも多く極めて深刻だ。職場(職員)の個別化(分断)が進んでいる所も多いので職員集団として指摘や申し入れ、報告(告発)ができないケースも極めて多いと見ている。

2 詳細は書かないが、結果的に、甲斐さんと澤田さんの授業を旧知の理科教師と一緒に見るという僥倖であった。

3 文部科学省のエンドユーザーは、確かに子どもたちなのだが、でも、実際は教職員なんじゃないかな。この間の教職員による文科批判の大合唱は省内を十分に冷やしているだろうなと推測する。文部行政の方向には言いたいことはたくさんある。だが、共倒れにならないように丁寧に発言しようとも考えている。

4 少し話がずれてしまうが、小6、中3を卒業させて当たり前みたいな学校界隈に渦巻く声には以前から違和感を表明してきた。そもそもぼくは教師にはそれぞれ適正学年があり学年のスペシャリストを育てるのが重要ではと考えている(もちろん定型的なレディネスをはめられない学年もたくさんある)。ちなみにぼくは多分中2の学年指導に適性が高いと思っている。そういうこと。

5 研究授業は大人同士も子どもにも話しかけはだめというツイートで長考中。事情は長く学校文化中にいるので良く分かる。でも授業は見ながら即時に話す方が断然役に立つ、学習者にどんどん質問した方が良いに決まってる。ああ、子どもがどんどん活動する授業ならこの問題は問題にすらならないことも多い。

6 スピーキングテスト界隈も酷いやりとりの応酬だな。。。

7 なんとかしてでも子どもの方へ寄っていくことが本質だと思う。例えば算数丸つけの長い列、どうしたらいいでしょうか、という問いは、ぼくらが子どもに寄っていくことが物理的に難しいということを考え抜いた上での苦肉の策のとしての列づくりから発生する問題としてのみ有効な問いのはずだ、本来は。

8 やっと着いた。吐き気。今日はつらかったよ。昨夜は久しぶりに酷い蕁麻疹が全身に出た。体力的にはずうっとぎりぎりだな。新幹線遅延で急遽取り直した徳島前泊のホテル。最初に徳島に来た時に取って下さったホテルだ。小さなホテル。身の丈に合っている。ホッとする。

9 すごい雨だ。どうしよう。

10 合唱コンクールは、大人の郷愁に子どもに付き合ってもらう時間みたいになりつつあるな。。。

11 なんだろう・・・40代以降の技量のある先生が、ボランティアで校内の他の人が(管理職も)気がつかないところを埋めて、それでなんとか学校が回っていくみたいなケースがすごく増えているね。10年くらい前から予想された通りのしんどい展開です・・・。

12まあ、とにかく夏休み明け後もあまりにも過密なスケジュールだったからだろう。今週は半ばからの蕁麻疹。そして昨夜からのひどい不整脈。アートが足りないのだと思う。

13 お世話になった養老乃瀧閉店になってしまった。2階にはパスタのお店。いろんなことがものすごいスピードで変わっていくね。ぼくだけがずうっと同じような日々を過ごしている。いや、ぼくも変わったのか。

14 イタリアの状況について努めて限定的に冷静に論評しようとする空気を感じる。でも、自分の中のザワザワする感じの方がきっと真っ当なのではと思っている。民主主義が民主的な手続きを経て自分達を縛り上げていくプロセスをつくることもできる。そういうことを見ている、自分ごととして。

15 国語教室への参観者受け入れについてグルグルと考えを巡らせている。具体は書かないが現状ではこのプロセスが校内の先生方に役立つ実感が持てない。それは本意ではない。いや不本意でさえある。誰かが悪いわけではないが、多くの人がハッピーになる仕組みを作らないとダメなんだな。仕切り直しだな。

16 ありがとうございます、増田書店さん。いつも力になっていただいて。先日処分したばかりにドリトル先生。無事購入。明日子どもに持って行ってあげられるよ。

17 それにしても賛成反対どっちの列が長いみたいな話を嬉々として流す人たちにはどちらにも閉口する。そもそも弔意とは最終的には個人的な営みなんじゃないかな。一人の人間の死でこれほど馬鹿馬鹿しいやりとりが繰り出されたことは、ちゃんと覚えておこうと思う。合掌。

18 授業予定写真をしばらく上げていないのは両学年ともWWをしているからだ。5年生読むことの授業をした夏休み前と違ってWWになると予定をあげたところで何の意味もなさそうだと思える。ワークショップを対置すると授業を巡る様々な論点が浮き上がる.計画とは公開とは検討とは学びとは授業づくりとは…。

19 今日はクロノスSQが聴けるはずだったのだが。残念だ。きっとぼくは何人かのアーティスト同様結局彼らを聴けずに終わるのだろう。そんな予感がする。すごく悲しい気持ちの今夜。

20 通勤退勤には結構時間がかかるのだが、いろんなことを考えながら電車に揺られるのは嫌いではない。もう少し本が読めたらいいなあと思うが、自分の体力ではないものねだりだ。

21 学校はあゆみの締切で担任の先生方は忙しそうだった。授業づくりネットワークは次号(評価特集号)で、通知表を廃止した某小学校を取材することになると思う。もちろんいろんな功罪・思いがあるのだろうと思う。当然のことだが、取材先に取り上げる実践や主張に丸ごと肯定的だったりすることなどない。

22 対話を大切に、そこまで、その人まで、足を運んで傾聴する。そういうことは引き続きずうっと大切にしていこうと思う。個人としても、雑誌としても。

23 あゆみで苦労する先生方の姿に、改めて「専科」の立場について考える。小学校「専科」の広がりはそもそも教科の専門性発揮視点ではなく、働き方改革(担任の仕事軽減)が大きな狙いだろう。「専科」の立場でできるだけ担任を煩わせないようにするということは、ぼくもずうっとすごく考えていることだ。

24 ぼくは一応それなりに腕のある先生として国語専科を担う。ぼくの授業を見ることで参考になり考えが広がり深まりすることはあるだろう。ただぼく自身は専科として担任の仕事軽減に寄与できればいい。そしてできれば思わず子どもの活動に注目して最後まで見てしまいましたみたいな授業ができればいいな。

25 作文の話は、自分の教員としての歩みを振り返ることであり、自分の授業に関することや子どもとの関わりを話すことそのものです。

26 方々の学校訪問で一斉学習困難な子どもにたくさん出会う。全員一律一斉を手放した教室・授業ではそうした子どもたちも何がしかの教育活動を行なえる。問題行動で苦しむ状況は一気に減る。でもこれは勇気だよな。最初の混乱を「我慢」しなければいけないし、評価も変えなければならない。

27 すぐ忘れるから書き残しておく。以前に、極私的民間教育研究団体史の話をした時に、時系列がぼんやりしていて、美しい話になってるんじゃないかという指摘を受けた。この問いかけにちゃんと答えなくちゃいけないと思っている。

28 Twitterって要するに怒りも交えた大喜利みたいなもんなんだなと思う。大喜利が政策に反映されかねない事態だとすると、そりゃあまあ、国情そのものを笑うしかない感じか。。。

29 今日は見応えがある。いや自分の現場があるということで、いろんな見え方が違ってきているのだとも思う。ありがたい機会をいただけているんだと改めて感謝の思いが湧いてくる。ぼくの一番やりたい仕事はやっぱり今日のように誰かの授業や教室を見続けて話すってことなんだな。

29 いろんな運が重なってここまで来た。感謝だ。そして世の中には名が知れることなど頓着もなくひたすら子ども・授業・教室と向き合ってきたぼくなど及びもつかぬ先生がたくさんいる。ぼくは多分今、量だけなら最もたくさん日本中の学校・先生・教室を見ている。その中で間違いなく言えることが、それだ。

30 要するに「良い子」の評価の基準がきれいな言葉でいえば「多様」になっている。まあ新しい「良い子」観と古い「良い子」観の対立が先鋭化している。でもね、これは同じ穴の狢なんだと思う。「良い子」(この言葉を使うか使わないかの問題ではなく)という価値判断の設定を手放さなくちゃいけないのよ。

31 かつて雑誌書籍に出版したりできる先生は本当に技量の高い先生だったのだと思う。教職員が気軽に原稿を書き発表できる文化は法則化運動が生み出したものだ。そのことは教育方法史的には十分に意味があったと思うが、まあそれが瀕死の出版状況とも相俟って行き過ぎてしまったってことだろう。例えばコンプライアンス問題で顔出し名前出しでの実践記録は出せないという話。それって本当にそこまでして世に問いたいと思うかどうかだろうと思っている。ぼくのクラスの子どもたちと小寺さんの写真集は顔出し。関係者の許可を取って出している。そういう実践記録が必要だと思っていたもの。文脈から誤って理解されそうなので書き足すが、ぼくはもちろんかつての先生たちのような凄腕教師ではない。すでに法則化以降の安易な本がたくさん出せてしまう文化の中で本を出してきた教員です。そういう先生でもそういう時代でも顔の見える実践も本気で作ることはできるでしょ、という意味です。

32 今朝方も悪夢系列の夢だった。まあ学校に関わる夢は全部悪夢である。

33 8-9月1on1オンライン対話。ぼくからの変更依頼も多かったが、それ以上にたどり着けない方が多く学校現場の厳しさをひしひし感じました。101時間。いつもより2割くらい実施が少なかったです。今日は山梨の中学校で授業観察とリフレクション。その後ぼくが国語と道徳の授業。盛りだくさんでした。