すぽんじのこころ 2022年11月下旬

1 偏頭痛。二日目。朝は5時からお一人と話す。個人ばん走について。その建て付け丁寧に考える機会になる。

2 今日の授業もイマイチだった。問題はぼくの側にある。根っこにあるのは多分勇気の問題だな、ぼく自身の勇気の問題だ。

3 それにしてもクリュイタンス&ベルリンフィル。田園、なんと高貴な。55年盤を愛聴していたが(それも素晴らしいのだが)60年盤には神が細部に至るまで宿っている。

4 森への授業に迷い続けたが、その理由は色々ある。一つだけ言えることは、この森に向かい川を遊び森で思考するプロセスと出会う作品を、みんなでワイワイ言いながら読むイメージが最後まで全く持てなかったことだった。

5 作品には言うまでもなく作品に合った出会い方がある。そして言うまでもなくぼくにはぼくの得意な授業の創り方がある。『森へ』ではそれに子どもたちの行事活動中の状況との寄せ合いも併せて結節点がどうしても見つけられなかった。もしもう一度やる機会があるなら全然違う構造の授業にすると思う。

6 関西フィル。デュメイの至芸を楽しむステージだ。前半はこれはもうヴァイオリンショートピース集なんだが、ああこういうのを聴きたかったんだなあと思う。世界が難しくなると、当たり前にキラキラしたり温かかったりするものが心の底からほしくなる時がある。客席は1/3強。もったいないな。

7 5年間ぼくのばん走にばん走してくれたカバンが先ほど大阪からの帰り道にこと切れました。以前と同じく肩紐がちぎれました。以前は修理に出しました。以前ちぎれたのは右側。今回は左側の肩紐がちぎれました。もう直さないと決めていました。気が遠くなりそうな夜です。

8 昨日は新幹線で完全に意識を失った。予定原稿手付かず…きつい。一箇所一箇所全力だ。良い時も申し訳ない時もあるがいつも精一杯だ。昨日は何年間もグラフィックレコーディングに真ん中で息を吹き込む場づくりをしてきた経験が役に立ったなあと思う。多くの関わってくれた人たちに心から感謝している。

9 何かにこれまでと違う機能を持たせたり違う役割を期待したりするケースが増えている。既存のものを拡張的に捉え直す発想は今や不可欠だ。でも面倒でもそれは前とは違う場・モノを作っているのだと宣言するべきだと思う。機能用途の拡張的判断をこのままやり続けると世界がタコ足配線化してしまう。

10 飛行機で戻る。道北滞在3時間。

11 父は妹の墓の前でこの冬は一つずつ終わっていくんだなとつぶやいた。うららには「聴こえなかった」と思う。そういうこと。誰かとこの墓に来るのは久しぶりだった。

112 20年前の吉田恭子の素晴らしいメンデルスゾーンを聴いている。ロザンドの弟子、彼の美音を受け継ぐ人だと思う。この録音金聖響アンサンブル金沢ということで再発売はあるまい。素晴らしく美しい演奏なのになぁ。お嬢さんの演奏も聴いてみたいが、ぼくは第一線の時期の吉田恭子が聴きたかったな。

13 原稿煮詰まる。ワクチン4。横でパッカッションWS。なんと加藤訓子氏(ライヒ!)。若い仲間たちとのカウンターポイントを聴く。東京へ引っ越し直後。ここでぼくは加藤訓子氏を聴いた。ぐるっと一周したのだと思う。失ったものと得たものとちょうど帳尻が合うくらいなのかも。

14 朝比奈&新日フィル。ブラームス交響曲。朝比奈は大指揮者だったんだな。骨格の大きさがもう全然違う演奏だもの。

15 今日のイーハトーヴの夢の授業がようやく出来た。今回は学びやすさを考えると小さなワークシートがあった方が良さそうだ。大至急作ろう。ずうっとギリギリの仕事をしている。今朝は電車の乗り換えを間違えた。あり得ないほど疲れているらしい。

16 そうか。ブラームスの四番は、他の3曲以上にオーケストラの持つ技量があらわになるんだな。。。

17 Twitter社の大量解雇が話題になっている。報道姿勢・方針云々で快哉をあげる人たちには、突然解雇された人たちの生活や家族へも少しでいいから想像を巡らしてもらえるといいんだがなあ。これ雇用と生活保障って話で言うと稀に見るひどいやり方だと思う。。。

18 広島の平川理恵教育長に関して揚げ足取りに近い指摘が続いて悲しい。ぼくが年間百数十校を回ってきた経験からはっきり言えることは、学校は千差万別ってこと。本当に学校のリアルを知りたいと考えるなら、現地まで足を運ばなければダメです。平川さんはそれをやり続けているだけです。目指す学校の像・教育の像について議論を戦わせるのは大いに結構なんだけどな…。本当に何かを知ろうとするためにはコストがかかるということをちゃんとみんな考えてほしいと思う。たとえ考え方が違う人であったとしても、現場に頻繁に足を運ぶ教育長が足を運ばない人よりも信頼がおけるのは当然だ。

19 あ、そうか。わかる人にはわかるんだろうけど、わからない人には全然わからないみたいなので補足する。ぼくは立場の違う人や考えの違う人についても、手続きやプロセス・誤読(フェイク)による批判はしないようにしたいし誰かがそういうことをしていることについては、納得できない時はNOといいます。

20 よくいろんな立場の人(おそらくは多くの人が、「あれ、それは晋さんとは考えや立場が違う人なんじゃないの」と感じている相手)について味方をするのを見て、ぼくがその相手の主張や考えに賛同していると誤解されることがあるのですが、その理解はだいぶ違っています(笑)。

21 沖仁。素晴らしかった。最後は独り。表現者はきっぱりと独りで立つ。かっこよすぎる。

22 溝の口のデッキから排除されたホームレスの人たちはこの寒空の下、どこにいるのだろう。

23 ぼくには立場上も自分の経歴や動き方・人脈からも様々な情報が入る。様々な学校教育関連の案件事案疑惑については周辺状況も含め入ってくることも多い。心がけているのはできる限り公正公平にここまでは話せるという地点で話をすること。複雑だからこそできる限り切り分けてシンプルに考える。

24 半日原稿と闘った。まだ闘っている。原稿には一度も勝ったことがない。

25 なんだか疲れるやりとりが続いているなあ。いや本当に疲れてるんだろう。急遽切り替えた新幹線。揺れる。明日の朝3人の方としっかり話したい。少し眠らなければ。

26 だいぶ頑張ったが完成に至らず。明日の帰りも新幹線に振り替えるしかないか。とにかく時間が欲しい。

27 NHKスペシャル。OSO18に見入ってしまう。被害と真摯に向き合いながらも、どこかユーモラスであるのがいい。つまり、人智が及ばないものへのペーソスというか。

28 この日本の今をちゃんと描いた映画があれば見たい。教育ガー、政治ガーを「告発」するような奴じゃない、ちゃんと比喩であるもの、なら。

29 結局今日は園田の講座は参加者ゼロで中止とし。だるまで串かつ。久しぶり。もう当分はいい。美味しかった。