エリソ・ヴィルサラーゼ フィリアホール 2018.11.26

シューマンショパン
ぼくはたしか2003年にkitaraテミルカーノフサンクトペテルブルグフィルと共演で聴いた。凄いとおもったが感動はしなかった。ラフマニノフの3番でした。
今回、ピアニストの神髄を知るにはリサイタルなんだなという、当たり前のことに気づかされました。シューマンからショパンまで、一音の迷いもなく鳴ることに驚嘆。シューマンは自在なきらめきを千変万化の表現で。ショパンは深い哀しみの滴の集まりのようなくぐもりで。特に芯のあるピアニシモはすごい。世界最高レベル、でした。

それにしても、ピアノがなかったなら、この人はどのように生きたのだろう。全てを捧げつくすための才能を持ち、本当に捧げつくしてしまう人の姿を垣間見た気がしました。
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ショパンは最後の大円舞曲前に一度ステージ裏へ。万雷の拍手を受けた後、それまでの哀しみの音世界をぬぐいさるように、まさに華麗に弾ききってくださいました。
客席7割くらい。
フィリアホール、響き、すばらし。