教師教育を考える会メールマガジン 2017年7月18日 第6号

教師教育を考える会メールマガジン2017年7月18日第6号。梶原末廣さんに書いていただきました。 


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メールマガジン「教師教育を考える会」6号
              2017年7月18日発行
http://www.mag2.com/m/0000158144.html
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 「教師前途」
インターネット編集長/「中・高教師用ニュースマガジン」編集・発行人/鹿児島・志學館中等部・高等部教諭
                      
http://www.mag2.com/m/0000158144.html
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 第6号は、梶原末廣さん。鹿児島の私学の教員をしながら、日刊のメールマガジンを発行し続ける驚異の実践者&イノベーターです。長文です。じっくりお読みください。 (石川 晋)
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 今回執筆の機会を得て逡巡したが、さっぱり出てきません。来し方を振り返りながら責任の一端を果たしたい。先ずは、今から10年以上前に依頼で書いたものを見ていただこうと思う。題して「教師も学ぶ」です。私がつけのではなく、編集者がつけたタイトルです。それは2003年に尚古集成館の「みんなの斉彬」プロジェクト(2003~2006年)に学校教育との繋ぎ役として招請されてメンバーの一員となった。(今考えれば、先般明治の産業革命遺産として仙巌園・尚古集成館などが認定されその一因に微力ながらなり得たかなと)。「みんなの斉彬」プロジェクトの記念冊子に多少の手を加えたものが、次の「教師も学ぶ」です。また、「月刊国語教育」(東京法令)に掲載の「国語情報学への道程」~ICTで「国語」も併せてご笑覧いただければ幸いです。
 尚、終わりに前年度末に行った国語科研修旅行記も楽しんでいただければ嬉しいです。
また、今年も「第18回霧島プロジェクトin国分」(7/29~30)開催します。中高MM・霧プロの関連コラムも付記させていただきます。
1.「教師も学ぶ」
 「学びたい」という生徒と「教えたい」という先生がいて学校は成り立っている。けれども、現実はそうなってはいないというほころびが見え始めてかなりの歳月が経っている。教育界の低迷状態は継続している。打開策や抜本的な解決を求めて論議が進んでいる。危機的な状況でありながら未だに暗いトンネルの出口を見いだせないでいる。そんな中、ささやかな営為ではあるが「継続は力なり」を支柱にした前進的な取り組みの一端を紹介したい。
 2000年の3月から全国の中学校・高校及び教育に関心を持つ人々へ、有益なメッセージを届けることを目的に行動を起こした。「中・高校教師用ニュースマガジン」(教育系メールマガジン)の編集・発行である。当初は執筆者20名の週刊でスタートさせた。執筆者の半数は筆者の既知の人であった。執筆者の陣容は小中高の教師・大学の教官・医師・企業経営者・カウンセラー・主婦という多彩な顔ぶれである。現在は執筆者30名(前記の分野にNPO法人理事長・冒険家や海外の教師なども加わった)で、購読者2000名の日刊発行のメールマガジンとなった。昨年の9月から今年の6月の間に地元の新聞やラジオやテレビにも発行1000号を記念して取材・掲載・報道と大きく取り上げられた。中央からではなく地方からのナレッジ情報の発信であるという点でその意義は大きいと自負している。
 このメールマガジン編集・発行、4年半の経験から見えてくるものがある。先ずはインターネットの登場で革命的な情報の発信や共有が可能になったことである。今までは既存のメディアと既得者にのみ許された発信・表現が、インターネットの環境さえ整えばだれもが表現・発信者になれる。その効果や威力の説明は不要であろう。発信される情報の信憑性は既存のメディアには及ばない面もあり、受信者(情報入手者)のメディアリテラシーに関する能力が試されるが、新しいものに相応のリスクはつきものである。
 次に購読者のメールマガジンの活用法であるが、受信購読の後、それぞれの教科への積極的な導入やLHRや道徳の時間での資料また学級通信の読み物として活用するなど多彩である。特に総合的な学習では諸活動にわたっての有効活用がなされている。メールマガジンは情報発信が中心であるが、双方向の手法も活用(メーリングリスト)しているので実践例の連絡もあり、互いに情報を共有し、質的な向上も図られている。
 さらに、「日刊中・高教師用ニュースマガジン」の発展的・持続的な活動を紹介したい。創刊時の2000年の夏から毎年ワークショップ(セミナー)を開催している。「第5回霧島プロジェクトin鹿児島」(未来教育セミナー)と称して今年の夏は島津斉彬氏の別邸磯庭園と鹿児島の象徴桜島を会場にGWT(グループワークトレーニング)やSGE」(構成的グループエンカウンター)の手法を学びながら「仙巌園のCM制作」を全員(10都道府県)の小中高の教師を中心とした参加者で実りある体験学習が実施できた。日刊のメールマガジンと月例会(学習会)や冬季のロッジ合宿研修会と夏の「霧島プロジェクト」と年間を通して鹿児島の教育関係者を中心にその活動の循環が機能している。一人ひとりの教師が企画・運営そして実践や報告会を一連の活動として継続させている。「日刊中・高校ニュースマガジン」の購読が学びを増進させる。
(2005.07.09 Saturday)
2.「国語情報学への道程」~ICTで「国語」が変わる~
(1)はじめに
 平成九年十月に発表された「情報化教育に対応した初等中等教育における情報教育の推進等に関する調査研究協力者会議(第1次報告書)体系的な情報教育の実施に向けて」では、小・中・高を通して育成すべき情報教育の目標を、情報活用の実践力、情報の科学的な理解、情報社会へ参画する態度としている。高度情報通信社会を生きていくためには、「自ら必要な情報を収集・編集・伝達・表現するための基礎的な能力を養う」ことは、すべての教科に関するものとされおり、あらゆる機会を通して実践していかなければならないということである。国語教育と情報教育の融合を試みたいという願いが「国語情報学」を生んだ。
(2)国語情報学への道程
 「国語情報学」は筆者の造語である。基本的な考え方として教科「国語」でコンピュータやネットワークを活用する際の名称として考えた。基本は「言葉」である。教科としての国語は「自然言語」であり、コンピュータやネットワークは「人口言語」である。「人工言語」があらゆる分野で急速に普及している現在、この二つの「言語」を出来る限り早い段階から同時に学習させることが望ましい。日ごろ実践している授業の一端として「デジタル新聞の活用」や「ネットワーク活用」を中心に紹介する。また、教師の為のメールマガジン「中・高校教師用ニュースマガジン」の編集・発行に関わることも紹介する。
 1.新聞記事の国語学習での活用など  
 高校2年生の作品「文章について」芳賀綏(はがやすし)著(教科書『新選国語二』(改訂版)尚学図書)を授業で扱った後、発展学習として「朝が楽しくなる」プロジェクトと称して新聞への「投稿文」の作成・応募・掲載を実施した。投稿は予想以上の成果(新聞掲載)をもたらした。生徒と廊下ですれ違うときなど互いにニコニコと「やったね!」と合い言葉を交わし、自分の作品が活字になることの楽しさを味わわせた。
【実践事例-1】
 ・「学校インターネット」(文部科学省総務省共同プロジェクト)の「学校インターネット新聞」の編集委員(筆者)として。
  http://www.toshie-suzuki.net/newspaper/index.htm
 平成十四年(二〇〇二年)九月から平成十五年(二〇〇三年)十二月の間、全国の「学校インターネット」参加校(約三〇〇〇校)にメールで配信された。「動画や音声が紙面からあふれ出る未来型のビジュアル新聞」。日本各地の教室の様子や子ども達の声が伝わるとっても楽しい内容。
(筆者実践事例)
  http://www.toshie-suzuki.net/newspaper/06/news.html
  インターネット掲示板で「作文」。ネットで俯瞰・共有...
 2.こねっと毎日電子新聞の活用による情報発信(3.の(3))
【実践事例-2】
 ・中・高校生が「日本の未来」を変える!~主張は「勇気」…手段は「IT」~
 いまその言葉(勇気の日)と実践活動が少しずつ学校から社会へそして世界へ広がってきています。昨年の夏、八月に参議院主催で開かれた「二〇〇〇年子ども国会」の論議をもとに「いじめや少年犯罪のない明るい社会にするために『勇気の日』を作ろう」という子ども達の考えが主体になって始まったものです。いまその子ども達中心の運動が広がりを見せています。昨年の子ども国会の直後に実施された、TV会議により「参議院報告会」(二〇〇〇年子ども国会に参加した子ども達)が全国から五校を結んで中継があり、その時に私の勤務校の生徒(志學館中等部・高等部)も参加しました。そのTV会議報告会の時に「勇気の日」を作ろうという提案がありました。
 前記は過去の記述ではあるが、「いじめ問題」などで喧しい昨今、今こそ「勇気の日」提案が生きる時代はないと考えている。
【実践事例-3】
 ・「初めの一歩・グローバルプロジェクト」(国際理解教育&異文化交流)
 五月十八日にワイオミング州の高校生(日本語選択コース)と鹿児島(本校中高生)との間でテレビ会議システムを使ってクラスコミュニケーションを体験しました。九六〇〇キロと十六時間の時差を解決できたのはCCDカメラとネットミーティング(TV会議ソフト)とインターネットの力です。
(3)「 国語情報学で学ぶコンピュータ」
 一九九五年(平成七年)十一月二二日発行の学園新聞に「パソコン活用と学校文化」を書いた。
 1.「情報活用能力」の育成を目指して
 国の情報教育に対する考え方とあわせ、本校のこれまでの研究ならびに調査を基本として、授業への導入を本格的に検討する段階となった。コンピュータを授業に導入する目的やそれに基づく教育内容、教育方法を検討した。中高一貫のメリットを活かすという観点も視野に入れながら、まずコンピュータに対する慣れを当面の目標としてとらえ、コンピュータリテラシー(コンピュータ活用能力)教育を中心として計画をたてた。
 コンピュータ教育年間目標=コンピュータに慣れ親しみ、違和感をなくすとともにコンピュータを道具として、生徒の発想力や創造力を活性化させる。教育課程編成の中に、本校の今後の特色のひとつとして、コンピュータを使った情報教育を織り込んでいきたい。そのためには、他教科との兼ねあい、時数の問題、生徒の状況、指導方法の内容等、さまざまな研究が必要なので、研究期間を設定した。
 2.パーソナルコンピュータからネットワークコンピュータへ
 現在は様々な場面でコンピュータ・ネットワークが必要不可欠となっている。本校の教育目標である「人間性開発」・「学力開発」の基本的な考え方に基づいて、コンピュータを人間形成の一助となる道具として活用させること。原則は、人間が人間と触れ合い、その中で教育活動が展開されるコンピュータに人間の代わりをさせようとするような考え方では、本来の教育の姿が失われてしまう。教師がコンピュータという魔法に負け詰め込み教育を行うのではなく、生徒教師双方の間にコンピュータを介在させることにより、常に互いに学びとっていくような環境作りが必要である。
 3.インターネットや各種情報機器等を活用した授業
 中等部の国語の時間(国語情報学)に、「情報リテラシー」の養成を目標に、コンピュータの基礎やコンピュータの基本操作を体験的に学習させいる。入力の演習として「今日の出来事」「友人との手紙交換」「コンピュータとの出会い」「ロードレース体験記」など学校や身の回りの出来事などを入力する。そのうちのいくつかは、「こねっと毎日電子新聞」(デジタル新聞・FAXでの入手も可能)の作品として採用され、掲載されている。
 また、さらに具体的な実践として、本校の中等部三年生は、「一万字論文」への挑戦として「テーマ学習」に取り組んでいる。テーマ学習は個々の興味や関心を基本として表現力や思考力を養成するために二〇〇一年から実施している。各自のテーマ設定と指導教官を本校の専任教師に依頼し、生徒と教師の二人三脚で論文を仕上げていくものである。テーマ設定の為に情報収集から最新の研究調査の検索など端末やインターネットを十分に活用している。論文の執筆計画・構成表の作成・草稿・推敲・決定稿へと存分に端末の活用をしている。例年二月に優秀賞の受賞者(金・銀・銅)の発表会を実施しているが、発表者はノートパソコンとプロジェクターそしてプレゼンテーションソフトを駆使している。この3月で「テーマ学習その足跡」(二五〇頁)という成果集ができあがった。(昨年度は文部科学省の特色ある教育にも指定されている)
 高等部の国語情報学や総合的な学習の時間にインターネットの「検索システム」を使って「調べ学習」等にも役立ている。教科書の作品を題材として、各自の「課題」を設定し、十時間程度を目途にして「課題解決学習」に取り組み、A四版(四十字×四十行)で五枚のレポートを作成。そして、これらの全てを(計画から実行)をコンテンツ(情報内容)とした生徒個人のホームページの作成。また、ネットワークの利用しての進路学習=別項、学校と卒業生、保護者、地域を結ぶ「志學館ネットディ」もある。
 「ネットワークの利用」、進路学習のひとつとして、「進路情報の入手」(どのような方法で、何を入手するか、その活用は?)が、挙げられるが、端末(コンピューター室及び全ての職員室)から「インターネットアクセス」による(大学検索、学部学科研究・進学就職情報・大学生入試体験談など)の利用ができる。生徒と先生が一緒に端末を操作して、情報の入手・共有も実現している。
 4.志學館ネットディ(未来プロデューサー)
 子どもたち一人ひとりを、よりよき未来へデビューさせるプロデューサーとして、学習(授業)の創造があると考えている。その試みとして、文化祭を中心に「志學館ネットディ」を実施している。
 5.「こねっと毎日学校電子新聞」への原稿作成・掲載・活用へ
 一九九八(平成十)年十月から原稿の作成と投稿そして記事掲載から購読へと循環を経てきた。特にネットディや東海村原子力発電所の事故に関わった記事は今も記憶に新しい。(国語情報学HP参照)
(4)メールマガジンの編集・発行へ
 教育界の低迷状態は続いている。ささやかな営為ではあるが「継続は力なり」を支柱にした前進的な取り組みの一端を紹介したい。
 二〇〇〇年の三月から全国の中学校・高校及び教育に関心を持つ人々へ、有益なメッセージを届けることを目的に行動を起こした。「中・高校教師用ニュースマガジン」(教育系メールマガジン)の編集・発行である。執筆者の半数は筆者の既知の人であった。執筆者の陣容は小中高の教師・大学の教官・医師・企業経営者・カウンセラー・主婦という多彩な顔ぶれである。現在は執筆者30名(前記の分野にNPO法人理事長・冒険家や海外の教師なども加わった)で、購読者二〇〇〇名の日刊発行のメールマガジンとなった。一昨年の九月から今年の六月の間に地元の新聞やラジオやテレビにも発行一〇〇〇号を記念して取材・掲載・報道と大きく取り上げられた。中央からではなく地方からのナレッジ情報の発信であるという点でその意義は大きいと自負している。このメールマガジン編集・発行、五年半の経験から見えてくるものがある。先ずはインターネットの登場で革命的な情報の発信や共有が可能になったことである。今までは既存のメディアと既得者にのみ許された発信・表現が、インターネットの環境さえ整えばだれもが表現・発信者になれる。発信される情報の信憑性は既存のメディアには及ばない面もあり、受信者(情報入手者)のメディアリテラシーに関する能力が試されるが、新しいものに相応のリスクはつきものである。
 次に購読者のメールマガジンの活用法であるが、受信購読の後、それぞれの教科への積極的な導入やLHRや道徳の時間での資料また学級通信の読み物として活用するなど多彩である。特に総合的な学習では諸活動にわたっての有効活用がなされている。メールマガジンは情報発信が中心であるが、双方向の手法も活用(メーリングリスト)しているので実践例の連絡もあり、互いに情報をさらに、「日刊中・高教師用ニュースマガジン」の発展的・持続的な活動を紹介したい。創刊時の二〇〇〇年の夏から毎年ワークショップ(教育支援セミナー)を開催している。昨年の夏は「第七回霧島プロジェクト」と称して磯庭園茶室「秀成荘」と「かごしま県民交流センター」の二会場で二日間実施した。要項は次の通りである。
◆「第七回霧島プロジェクト」
 テーマ:未来教育(「読解力」&「課題解決力」)
日時 二〇〇六年八月十六日~十七日
 1.「未来問題解決プログラム研修講座」~指導者をめざして~
 ・子どもたちの「創造力」と「問題解決力」を養成するワークショップ
 2. 参加型シンポジウム 「教育とメディア」
 コーディネーターに田中孝一氏(文部科学省視学官)を迎えシンポジストには細田直樹氏(NHK制作局経済社会情報番組「クローズアップ現代」)・岩堀美雪(福井県小学校教諭)・永井真紗子氏(朝日新聞宮崎総局記者)・高橋りう司氏(NPO未来問題解決プログラム)
 3.講話「島津斉彬の目指したもの-思無邪の精神-」
 ・寺尾美保(尚古集成館学芸員
 4.「オプショナル懇親会」(於:中原別荘)
 参加者によるプレゼン:野元尚巳氏「ALASKA Glacier Bay Expedition」
アラスカ・グレッシャーベイ遠征報告)・岩堀美雪氏&細田直樹氏(番組紹介など)
 5.各種情報交換と懇親会
 「未来問題解決プログラム」や「SGE」(構成的グループエンカウンター)の手法を学びながら全国(10都道府県)の小中高の教師を中心とした参加者で実りある体験学習が実施できた。日刊のメールマガジンと月例会(学習会)や冬季のロッジ合宿研修会と夏の「霧島プロジェクト」と年間を通して鹿児島の教育関係者を中心にその活動の循環が機能している。一人ひとりの教師が企画・運営そして実践や報告会を一連の活動として継続させている。「日刊中・高校ニュースマガジン」の購読が学びを増進させる。
(5)おわりに・今後の展望
 コンピュータ室の設計図作成から機器の導入そして活用との過程を経て10年、その後2年間は研究のまとめ期間となった。
 ひとりの国語教師が新たなるツール「コンピュータとインターネット」と出会って様々な研究と実践を経て確かな手応えを得た。国語はすべての教科の基礎・基本であり応用である。教師は常に教えることと学ぶことを己に課していなくてはならない。
 今後の展望として、まず何よりも今の子どもたちに自己肯定感が持てるような取り組みをしていきたい。「自信」・「誇り」・「矜持」と同じような意味を持つが、自ら学び、自ら考えそして自らの未来をたくましく切り開いていく子どもたちの育ちに寄与できる教師になりたい。考える中・高校生の実現をめざしたい。
 環境整備としてそれぞれの教科の中でインターネットや端末を有効に使う為にすべての教室に情報コンセント(インターネット接続口)が設置されて「ユビキタス授業」が実践されることを願っている。設備としては校内LANから教室内無線LANの実現であり、また、教科の教材データベース化を実現させながら校内ネットワーク内で十分に演習を積ませ大学や社会に出てもらいたい。
 尚、今回の報告の補足は次のホームページで閲覧可能である。
国語情報学HP
http://www.synapse.ne.jp/~kanoyu/kokugo/
また、筆者は『21世紀の高校 生きる力はITで!』鈴木敏恵著(学事出版)の第3章「未来と世界を「教室」へ」を執筆担当している、併せてご一読いただければ幸いである。
(「月刊国語教育」2007年5月号掲載 加筆修正)
3.「平成27年度国語科研修旅行in甑島
http://island-ecs.jp/tour/621/
http://www.koshiki-tour.com/
期  日:平成28年3月5日(土)~6日(日)(1泊2日)
時  間: 1日: 8:50(川内港発)~ 9:40(里港着)
(8:20集合)(高速船) 2日:17:10(里港発)~
18:00(川内港着)
*オプション(朝の豆腐屋さん見学及び試食:1000円・ナイトツアー
:3000円・里ツアー:3000円) 
宿  泊:「甑島館」電話:09969-3-2121
〒896-1101 鹿児島県薩摩川内市里町里1619-15 「island Hostel 藤や」(民宿)〒896-1101 鹿児島県薩摩川内市里町里172番地
     TEL :09969-3-2212( 山下商店 )
    【WEB】:http://island-ecs.jp/fujiya/
参加者数:7名
参加費 :25,000円(往復高速船代金、宿泊、昼食・夕食・朝食代込み)
3,360(高速船)・2,500(断崖)・3,000(昼食2)・10,626(ホテル)・3,360(高速船)・レンタカー(@1,500)24,346円
◆プログラム概要◆
 日 程:3月5日(土)(1日目)
 8:20 川内港ターミナル集合
 8:50 川内港発(高速船 甑島)
 9:40 里港着・レンタカーで中甑
10:00 中甑
10:10 中甑港発(断崖クルージング)
12:00 中甑港着
12:10 「寿司膳かのこ」へ(昼食会場)
12:20 昼食
13:40 「寿司膳かのこ」発
14:00 「甑島館」チェックイン着
14:30 観光ツアー出発
甑大明神橋・鹿の子大橋・帽子山展望所・木の口展望所~田之尻展望所~長目の浜(海岸:ロックバランシング)~「ギャラリーひらみね」(休憩:里)
18:00 入浴など
19:00 夕食
20:00 斉藤家へ(サイトハウス)
お話会「斉藤きみ子」(児童文学作家)
21:20 フリータイム
23:00 就 寝
3月6日(日)(2日目)
6:00 山下商店(豆腐屋見学試食:不定休も>希望者5:30起床)
7:00 起床・洗面等
7:30 朝 食
9:00 里武家屋敷散策(「しまなび」ケンタ君)(「ジェルキャンドル作り」斉藤君)
11:40 里 発~平良港
12:00 昼 食 「LunaPiena」
13:30 平良集落散策
15:00 平 良 発 (中甑港待合所:お土産など)
15:20 フリータイム
17:10 里港発
18:00 川内港着・解散
 例年、教科で会費を積み立て研修旅行を実施。日帰り研修もあれば、今回のように宿泊研修もあります。研修候補地が「甑島」に決まったのは、皆が行ったことがなくて一泊程度の行程で行けるところ。また、甑島に決まったのは、嘗て一人の先生が斉藤きみ子さんの講演で感銘を受けその斉藤さんと歓談できる段取りがついたことです。従って、今回の収穫は何といっても里在住の斉藤きみ子さん(児童文学者)に会えたことと同時に2時間にもわたって貴重なお話をうかがえたことです。勿論、新鮮な海の幸、甑島断崖クルーズ体験ができたことも望外の喜びでした。時が止まったようなまた昭和の空間に紛れたような気分でした。さまざまに感覚が研ぎ澄まされた気がしている。
教科の研修旅行を終えて、二日後には生徒を引率して三泊四日の東北旅行が待っていた。
 東北大震災から5年となる今年2016年3月8日~11日の修学旅行です。機会がありましたら寄稿したいと考えています。
4.おわりに
 寄稿の決意をして気持ちは高揚したが、日々の仕事や雑事に紛れて執筆に専念出来ませんでした。冒頭にも記したように責任の一端を果たすべくこれまでの作品を俯瞰して少しでも教科に関連性のあるもので再構成した。国語も「能動的主体的学習」(アクティブラーニング)や「ICT活用授業」も花盛りであるが、20世紀から21世紀の移行期(転換期)に先行的な研究と実践を行った事実を紹介できたと思っている。私は90年代の初頭に情報革命が起こったと捉えている。その点を視野に起きいくつもの先行研究と実践を行っている。この先、未来の教室はどうなるのか。ある程度の想像は可能であるが、それほどの進歩がないかもしれないし、あるいは加速度的に進むかもしれない。それはこの道を歩く人が増えることで可能になるのです。
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 【本作品関連リンク】
●インターネットを活用したネットワークづくり(数研出版第4号2001年9月)
  https://www.chart.co.jp/subject/joho/inet/inet04/inet4_2.pdf
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 【コラム1】
「霧島プロジェクトに参加して」
 お盆休みに鹿児島で1泊2日で開かれた「第9回未来教育セミナー」霧島プロジェクトという集まりに参加した。実行委員長である鹿児島の私立高校の先生、梶原末廣さんに第1回から誘われていたのだがなかなか参加する機会がなかった。
 参加者約60人のほとんどが九州一体の学校の先生たち。メーンはシンポジュウム「生きる力と学力」(新学習指導要領のねらい)。田中孝一・文部科学省主任視学官の基調提案に続いて同氏がコーディネーターになってシンポが進められ、自分もシンポジストとして参加した。  
 その内容はいずれ報告するとして、実に温かくて気持ちの良い集まりだった。学校の先生たちのいい部分ばかりを持ち合わせた人たちのように見えた。知的で、理想を持ち合わせ、真実味があって、控えめ。そして、いろいろ悩みを抱えている・・・。
谷口泰三(教育ジャーナリスト・元新聞記者)2008年8月17日 (日)
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 【コラム2】
 「ロールレタリング始動 (
)v」
 ふと気づけば、2006.6月以来娘の日記を読むことはあっても、自分から日記を書くことはなかった。理由は、いろいろあるのですが。。。今は、略!
 ヒロさん(私)から教えて頂いたロールレタリングを始めます。
 昨日、ノート40冊(生徒39名+自分用1冊)とアルミケース(鍵付)、チェーン、鍵(キー2個付)をそろえたら合計5000円ちょっとになりました。
 100均で,安いグッズをそろえようとも考えたのですが、中学生たちにその気にさせるためには、なるべくきちんとした道具を準備することが大切だと思い、ノート40冊が入るくらいの大きさのアルミ製の工具箱約3000円、切り売りのチェーン(90cm)約700円、鍵約300円にしたのです。
 本日の学活で、最初に卒業式にこのノートを渡すことを話して、卒業式当日の自分へ手紙を書き、その後1週間後の自分へ手紙を書かせようと考えています。
 いろいろとやることも多いのですが、懸案だったロールレタリング、いよいよ始動します。子どもたちひとりひとりと私自身の密やかな気づきを期待して。。。
 ロールレタリング初回の記録
 ノートと鍵をケースの中に入れて教室に持って行く。ロールレタリングの説明をする。
 特にチェーンにつける鍵のキーを1個ずつ代議員に渡す。これで、私がケースのキーを別々にもつことが確認できる。代議員は、驚いた様子で、うれしそうにキーの保管場所を考えていた。卒業式での最後の学活で、このノートと卒業証書だけを渡すことを話し、卒業式の自分の姿を考えさせる。ノートを配り、表紙に名前を書かせた後に、一番最後のページに卒業式の自分へ手紙を書かせる。書き終わった生徒には、1週間後の自分へ手紙を書かせる。
 文章の最後には、書いた日付も記入するようにさせる。
 15分タイマーをかける。
 私も机に座って、ノートに書き始める。
 一気に1ページ文字でうまる。
 涙があふれて、思わずハンカチでぬぐう。
 生徒たちもノートに向かっていたので、気づかれなかった?
 ノートを集め、タイマーと一緒にケースに入れる。
 2重に鍵を掛けて、教室の机の下におく。
 欠席の分のノートは、ケースにいれずにおく。
 次回までにかかせるか、次回から始めるかにしよう・・・。
 書けない者がいる。集中してたくさん書いた者もいる。
 続けていくことが大切だと思う。
 卒業式のことを考えて、現在の机がうまらない状況を考えて、落ち込んでしまったようだ。同僚から元気がないと声をかけられた。
 放課後、教室に残っていた生徒と「このケースは重いし、鍵も二重にかかっているし、泥棒が間違えて盗んで行ったら、泥棒はノートしか入っていないので驚くだろうね」と話す。
 (中高MM購読者&霧プロスタッフ)
 【コラム3】
▼子どもの心中学校で <5> 面談「自慢していいぞ」
 授業が終わって教室を出た時だった。当時1年生のR子が「先生、あのクリアファイルに何を入れればいいの?」と聞いてきた。
 「自分の好きな物、自慢できる物でいいんだよ」
 「うーん、難しい……」
 学校では毎年、5月下旬に三者面談を行っている。学校生活に適応し、学習面と生活面のバランスがとれているかどうか、本人と保護者に確認する。
 その資料として、私は生徒に「パーソナルポートフォリオ」を作らせていた。教育界における「ポートフォリオ」とは、学習の過程で生徒が集めた資料やメモ、作品などを保存した学習ファイルを指す。時系列に保存することで、本人の学習歴や進歩がわかる。生徒の新しい評価法として採用されだしている。
 私はそれを、生徒自身の自己発見に利用している。自分の良い所を10個記入させるとともに、自分らしい物を5、6個集めてクリアファイルに入れさせる。面談では、それを使って保護者と私に自己紹介させるのだ。
 ホームルームでポートフォリオの作り方を説明した。私が「うーんと自慢していいぞ。歌がうまいとか、駆けっこが速いとか、記憶力抜群とかね」と言うと、ある生徒が「足が長いとか、もてるとかでもいいの?」と言って笑わせた。だが、R子はその時間中、ずっとうつむいていた。
 R子の三者面談が来た。少し心配していたが、取り越し苦労だった。小さい時から絵や書道が好きなことや、バイオリンが相当の腕前だということを、書道の表彰状やバイオリンの発表会の写真を基に紹介してくれた。
 あれから2年。最上級生となったR子は毎週発行する学級通信に挿絵を描いてくれている。 (2005年10月 Y新聞)
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【コラム4】
1.新連載『eトーク』 たかがメルマガ、されどメルマガ
 大海に墨汁をたらすような心もとない作業ですが、こうしたメルマガのコラムも発信を続けていれば何がしかの反応はあるものです。これまでに何人かの先生方とこのコラムを通じて知り合いになりました。あるいは、先日は「読みました。出張で東京へ行くから会いませんか」というメールも旧知の先生からいただきました。
 早くも梅雨が明けたかと思わせるほど暑かった12日の日曜日。秋葉原電気街で数年ぶりにその先生、鹿児島市の志學館中等部・高等部教諭、梶原末廣さん(52)と落ち合いました。開口一番「いやーもう疲れましたよ」と梶原さん。情報教育の“伝道師”さながらに八面六臂の活躍を続けてきたが世の中はなかなか思うように進んでくれないという嘆きのようです。しかし、しばらく話しているうちに彼の情熱が衰えるどころかますます高まっていることを知りました。
 梶原さんと実際に会ったのは6年前の6月ですが、その1年以上前から仕事上の協力をお願いしていました。当時、毎日小学生新聞、毎日中学生新聞(いずれも日刊タブロイド紙)の発行部署にいた私は、毎日学校電子新聞を始めました。NTT主導の「こねっとプラン」とタイアップして97年秋に創刊、約3年半発行したウェブ上の新聞です。当時まだ珍しかったPDF利用による縦組み約14ページの週刊新聞でした。子どもと先生が原稿を書くのを基本にした発信型教育の1つのチャレンジのつもりでした。
 電子新聞作りのための指導者を求めて、私は全国にアンテナを張りました。そこでキャッチしたのが梶原先生です。一度は会って話をしたいと99年6月、鹿児島へ飛びました。梅雨の列島に迫る台風のせいで離陸から着陸まで窓外は雲の絨毯が続き何も見えません。それでも「情報教育を草の根で切り拓く先駆者の一人にもうすぐ会える」という期待で退屈な機内も苦にならなかった記憶が今も鮮明です。
 秋葉原マクドナルド店内。ひとしきり情報教育の厳しい状況を話しあった後で梶原先生が1枚の名刺を取り出しました。そこには「中・高校教師用ニュースマガジン」のインターネット編集長と書かれていました。マガジンの内容はホームページ
 http://www.synapse.ne.jp/%7Ekanoyu/sukaji/index.html
を見てください。その中にマガジンが1000号を迎えた2004年6月に南日本新聞に紹介された記事があり、経緯が分かりやすく書かれています(コンテンツ欄の「教師用メルマガ1000号」をクリック)。なんと日刊マガジンなのです。「目下部数は1683部。覚えちゃってますね」と梶原先生が少しはにかみました。多いと見るか少ないと見るか、取り方は様々でしょうが、私はそのはにかみにマガジンに込める並々ならぬ思いを感じました。日々動く部数(登録者数)を入念にチエックしているのです。媒体作りに携わる同業者としてその気持ちは痛いほど分かります。
 毎日深夜に寄稿を整理してメルマガを発行するエネルギーは、当然他の活動にも波及します。8月16、17日に予定している未来教育セミナー「第6回霧島プロジェクトin川辺」など梶原さんが推し進めている活動は実に多彩です。メルマガなどを通じたネットワーク作りが大きな推進力になっているのです。
 「外に広く同士を求めて、ネットワークの力で情報教育を少しでも発展させるためにやっていきます」。熱っぽく語る梶原さんは、さながら日本の夜明けを熱望する薩摩隼人の風情でした。
 連れの方を交えて4人。若者のようにマクドで2時間も話し込んでしまいました。このへんがオフラインのすごいところなのですが、きっかけがネットであったことを忘れずに、私もうまずたゆまずこのコラムを書いて行こうと思ったものでした。別れてすぐに「中・高校教師用ニュースマガジン」(無料)の配信申し込みをしたことは言うまでもありません。
谷口 泰三(M新聞社紙面審査委員)         
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◆石川さん・北見さん・城ヶ崎さん・杉本さん・鈴木さん・山部さんセミナー◆
【第18回霧島プロジェクトin国分】
日 時:2017年7月29日(土)(13:00~18:00)~30日(日)(9:10~16:30)
場 所:29日「国分パークプラザ」霧島市国分中央3丁目9-20 0995-46-4401
30日 「サン・あもり」霧島市隼人町見次1371
0995-43-3373
対 象:保育・小・中・高校・大学の教師及び教育に関心のある方
人 数:40名
参加費:4,000円(全日程:資料代を含む)(大学生は3,000円)
主 催:霧島プロジェクト(運営実行委員会)
運 営:ボランティアで行う
後 援:日刊「小&中・高校教師用ニュースマガジン」
懇親会:「一茶」29日夜7:00 霧島市国分中央3-14-5
0995-46-0863
●お申し込み方法(申込締切:7月28日(金))
1.連絡問い合わせ
Mail:kanoyu@po.synapse.ne.jp・携帯:090-1346-3090
2.下記のフォーム入力でも受付いたします。
申し込みフォーム: http://form.mag2.com/ronotridai
◆日程及び内容◆
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2017年7月29日(土)第1日目(会場「国分パークプラザ」)
9:00 スタッフ集合・打ち合わせ・諸準備
12:00 受け付け開始
13:00 開講式 13:15 自己契約、名札をつける
13:30 出会いのワーク・知り合うワーク(SGE)
14:00「ハイブリッド保育?9割のアナログ保育と1割のデジタル保育?」(セッション1)杉本正和さん(鹿屋つるみね保育園園長) 
15:10 「授業・クラスを革新するために~協同学習、ゲストティーチャーなど~」(セッション2)石川 晋さん(NPO法人授業づくりネットワーク理事長・元北海道公立中学校教諭)
16:40「18歳選挙権時代の公民教育~新学習指導要領をふまえて」(セッション3)鈴木隆弘さん(高千穂大学教授)
17:50 1日目 終了
19:00 懇親会(「一茶」霧島市国分中央3-14-5 0995-46-0863)
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2017年7月30日(日)第2日目(会場 「サン・あもり」)
8:30 受 付
9:10「志共育(志を共に育む)体験会」
(セッション4)北見俊則さん(一般社団法人志教育プロジェクト
  専務理事/前・横浜市上永谷中学校校長)
10:50「子どもらしさをつぶさない、受け止めるしどうほう!」
(セッション5)城ヶ崎滋雄さん(千葉公立小学校教諭)
12:10 昼食
13:10「これからの教育2020年を考えるシンポジウム」
(セッション6)(全参加者)
14:40 休憩
14/50「命の育て方授業」
(セッション7)山部三千代さん
15:50「別れの花束」(SGE)担当:実行委員会
16:20 閉講式
16:30 解散
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 私の活力の源が「中高MM」と「霧プロ」です。「かごしま朗読Cafe」と「さかのうえ哲学カフェ」と「まちさるく会」も継続しています。今回、ほぼ20年を俯瞰しましたが、この振り返りが未来へつながるものと信じて入力を終えます。長文を最後まで読んでいただきましたことに感謝申し上げます。
 さあ、今年も楽しみの霧プロを開催します。遠方ですが、どうぞ鹿児島にお起こしください。皆さんに会えることを愉しみにしています。
梶原末廣
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 梶原さんの活動内容は多岐にわたり、それを一挙にご紹介することは困難です。ただ今号をお読みいただいてお気づきの通り、2000年前後の総合的な学習の時間の登場以前から、一貫して、学校の外と内との「越境」の必要を説いてきた先駆的な実践者・イベンターです。
 私自身も中高MMや霧島プロジェクトの動きに大きな刺激を受けながら新しい学校教育の動きについて考え続けてきました。今夏もご縁をいただき、久しぶりに鹿児島で再会できることを楽しみにしているところです。
 梶原さんの編集する中高MMは、次のサイトから購読手続きできます。
 http://www.mag2.com/m/0000027395.html
 教員が育っていく過程において、書く・記録するということは非常に重要なファクターの一つであろうと思います。すぐれた実践の多くはその実践を記録する文体の開発を伴って広がったという歴史もあると思います。梶原さんの功績の大きな一つは、学校の内と外との「越境」の他にもう一つ、自分の教育実践を内省したり、他に伝えたりする機会をたくさんの人たちに用意してきたこと、新たな書き手を発掘し育てるということがあると私は分析しています。
 今授業も教室づくりも(部活動も)新たな局面を迎えつつある状況で「学校を巡る記録」はどのように進められていくか。新しい状況に見合う新しい「記録」はどのようになされるべきか、このことも改めてみなさんと真剣に考えてみたいテーマです。
 次号は、7月21日金。梶浦真さん(教育報道出版社 代表)です。総合的な学習の時間登場の前後から、学校のすぐ外から、学校の在り様について、丁寧に議論を投げかけてきてくださった編集者・ライターです。
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メールマガジン「教師教育を考える会」
6号(読者数2370)2017年7月18日発行
編集長:石川晋(zvn06113@nifty.com)
登録・解除 http://www.mag2.com/m/0000158144.html
まぐまぐ:教師教育を考える会)
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