すぽんじのこころでつぶやく 2021年10月下旬

1 フリッチャイ&ウィーン響。ジュピター。ぼくがこの時代に生まれてきてよかったと思える音楽、演奏の一つ。ぼくはこの素晴らしい演奏に中学生の時に出会ったんだ。

 

2 正気で暮らすこと。ゆっくり歩くこと。フォーカスし過ぎないこと。アートと暮らすこと。

 

3 毎年のことだが、この少し前くらいの時期からTwitterもFBもいいねやらエンゲージメントやらの数値が一気に下がってくる。ぼくは特に書くことは変わったりペースが違ったりしていない(はずだ)から、つまり大方の教職員にとって発信はおろか返信する余力がない季節に突入したということなんだとわかる。

 

4 気持ちはよくわかるけど。。。「手当」が役職認定とともに固着されることで、業務風のことまで当たり前にやらされることになるんですよ。うまく行ってない厳しい学校ほど。これまでも何度も書いてきたけど、組織開発に本気でコストを掛けないと、解決にならないんですよね。今までだってできる人が死ぬほど働いてきたのですよ。必要なのは新しい金銭的インセンティブではないとぼくは思います。インセンティブってことなら、必要なのは気兼ねなく取れる休暇。出世や発表をちらつかせない自主研修の権利です。

 

5 グラーデン&聖ヤコブ室内合唱団。デュリュフレ”レクイエム”。全ての音楽録音の中で最も美しいものの一つ。自分の限られた人生の中でこの演奏録音を聴けて幸せだ。

 

6 かつて岩瀬直樹さんと「教室をアイランドにすると授業が変わるよね」と話したことをよく覚えている。無邪気だったなあと思う。授業はツールや手法を放り込んでもほぼ変わらない。その前に耕さなきゃいけないことがあり、しかもそれは何度も腰を入れて鍬を入れる。でも腰を入れているとはできるだけ見えないようにやる、そういうクラクラする営みを必要としている。  ここまで

 

7 朝から反田さんのショパンコンクールでの健闘が報道されている。小林さんも注目だ。奈良で聴いた反田さんはアグレッシブな若武者だった。ワルシャワではどうだろう。今朝は大好きなコルトーの2番コンチェルト。ピアノの下にバケツ一杯音符がこぼれていそうな技巧なのに、胸を打つのはなぜだろう。

 

8 国立音大大学院オペラ。コジファントゥッテ。学生のひたむきさに心揺さぶられる。この物語を選ぶことの深謀遠慮も。同僚の音楽教員が酔うと卒業公演オペラのことを話してくれたのを思い出す。この日この場面が音楽人生最高潮の輝きかも知れない。人生はビターで豊かに複雑なハプニングの連続なのだ。

 

9 ふう、少し疲れた。大変な事態があちこちで進行しているんだな。みんな正気で暮らすのが難しい。

 

10 若手役者が投票呼びかけ動画を流しているのをサンデーモーニングが取り上げていた。これまでとは違って政治的発言をしている、ともちろん肯定的な取り上げ方だが、投票呼び掛けのどこが政治的発言だ? 政治的発言っていうのは自分の政治的立場の表明でしょうに。。。投票呼び掛けが政治的発言とは…。

 

11 スイッチONスイッチOFFのハンドルを子どもたちに預けられているか。ツールの良さと弱さとを子ども自身が吟味できる学習過程になっているか。

 

12 ちゃんと聴いてなかった緑黄色社会とグールドのモーツァルトを多賀さんとの二日間でちゃんと聴き直した。気に入って聴いている。緑黄色社会、ライブを観たい

 

13 ぼくは朝ドラの最終週が苦手なのを思い出した。というか、そこまでやり散らかした中途半端な伏線をなんとか回収しようとする感じに、やり散らかした自分の学級づくりや授業づくりが重なる。とはいえ、おかえりモネはとても良かった。毎朝バンプに勇気づけられて現場へ向かえる時間はありがたかった。

 

14 ずうっとまるで公開処刑のように続いてきた人権侵害。結婚をもって、もう終わることを切に願っている。本当にひどすぎることだった。この国のジャーナリズムにも、また人々の人権意識にも、絶望してしまうほどひどかった。ぼくはこの国が大好きだが、大嫌いになってしまいそうなほどだった。

 

15 授業はユニットやパーツ、分割方式などによる構成によって「だるま落とし」のようになった。2000年前後からの学級崩壊から広がり、指導案の段階との親和性も良く安定的に利活用されている。今この成功体験を手放すのが難しい。「対話」も「ICT」もだるま落としのパーツの入れ替えで消費されている。

 

16 我が子がどういう学力状況・生活状況なのかを見定めて、「その子に合った」学校を探すという発想の前提に「財力」「利便地」があることに気づいていないのだろう。まあ、そういうことは、本当の悲哀を感じたことのない人には、想像が難しいのだろう。

 

17 ぼくが床屋が嫌いなのは、自分の顔をずうっと見ていなければならないからなんだな。

 

18 隣のクラスが崩壊した時どのように対処するか。崩壊学級の隣で担任稼業を続ける先生がどれほどまでに傷ついているか。そういうことがちゃんと語られないといけない。

 

19 朝1on1。東京、大阪、千葉の3人の方と。これで10月の対話終了。明日から11月がスタートする。10月実績はぼくの事情もありまたキャンセルもありいつもより少なく55時間。11月は10月分の変更もあるので78時間の予定。一番しんどい時期丁寧にばん走したいと思う。良い朝だった。

 

20 決して実施されることのない行事の計画を延々と立て続ける日々だったのである。「賽の河原」だ。ぼくは結局これが一番教職員のダメージを蓄積することになったと見ている。そんなの学校裁量でなんとでもなったでしょうと、外野はいうのかも知れないが、まあ学校ってところはそういうところではない。

 

21 ぼくが仮に教員採用試験を受けていて不合格だったとして、それがyahooニュースのトップ項目に並んだりしたら、ぼくはとても生きていけそう気がしない。やってることは、そういうことだ。

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最近読んだ本から その26

再読が多い。珍しく雑誌も読んだ。色んな意味で、学びが多かった。他に大きめの本を読んでいるが、時間が取れずなかなか読み終わらない。

 

 

2021年11月の講座(大島、新大阪、熊本、国立、本八幡)

11月は5箇所で講座を行います。

10名程度の小さな会で、膝詰めではなしができる、確実に想いが伝わることを、引き続き大切にしていこうと思っています。先日開催の舞鶴甲府も少人数でじっくり話せました。どうぞいらしてください。

 

11月4日(木曜日)・・・伊豆大島「ゲストティーチャーと授業を創る」 

 11月10日(水曜日)・・・新大阪「コロナと学校」

11月20日(土曜日)・・・熊本「コロナと学校」

11月22日(月曜日)・・・国立「対談:村上聡恵さんと語り合う」

11月23日(火曜日)・・・本八幡「コロナと学校」


アートを旅する 2021年10月上旬

石川さゆりアコースティックライブin旭川旭川市民文化会館大ホール)

その表現力、声の細部に至るまでのコントロール。すごい歌い手だった。アコースティックなので、なおさら圧倒的な歌唱力が際立つ。圧巻だった。

・企画展「大学生作品展2021」(中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館ステーションギャラリー)

北海道教育大学旭川校美術分野の大学生による作品展。どのくらいの子たちがずうっと描き続ける人になるのだろう。描き続けてほしいと願う。

・広島交響楽団第415回定期演奏会広島文化学園HBGホール)

変奏曲で筋を通したプログラム。初アルミンクだったが、とても良い指揮者だなと感心する。ゲニューシャスの代演の江口玲さんは素晴らしかった。なんというか理知的で探究的。それにしてもよりによって18変奏の終結部に携帯鳴らすとはほとんど凶悪犯罪だ。素晴らしいアンコールの最中にも。後半のヒンデミットは、構造のよく見える、この曲のアメリカ市民に向けたオーダーメードぶりもよくわかるような演奏。ヒンデミット版のヤンキー音楽なんだな 笑。木管金管、広響はとても良い。感心した。ホールは予想以上にデッド。ここで定期をする広響はえらい。

ソリスト江口玲さんのアンコール。
ラフマニノフ:前奏曲嬰ト短調 Op.32-12
シューマン:子供の情景トロイメライ ヘ長調Op.15-7

オーケストラのアンコールは、エルガー:エ二グマ変奏曲Op.36よりニムロッド。アンコールまで徹底していて、素晴らしい。

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すぽんじのこころでつぶやく 2021年10月上旬

1 昼間からモーツァルトを聴きビールを呑む。この原稿にこれほど苦しんだのは書けないからではなくて、あまりにひどい状況を見聞きしてそれを言葉にする過程がしんどすぎたからだ。いつもなら一気呵成に書くところを中断し最終の締め切りギリギリになってしまった。本当に申し訳ないと思っている。

2 本や人に啓蒙感化されて選択をする人は多いのだろう。だがぼくは間違えることが多くても自分の感覚で決めることを優先したい。自信があるわけではない。人生とはそういうものだと思っているのだ。

3 石川さゆり。すごかった…。

4 汽車は雨で運休になってしまった。バスで戻るしかない。

5 塩狩峠付近は、もう紅葉が本番だな。この峠付近も二次林が多いので、多分後から植えた針葉樹と雑木とのコントラストが美しい。山葡萄がびっしり。線路敷地内じゃ取れないね。

6 単純な物語・わかりやすい筋は、歌舞伎やらミュージカルやら歌劇やらのフォーマットに、乗せやすい。ぼくは単純・わかりやすいもとても必要だと思っているが、歌舞伎やミュージカル・歌劇が好きになれない理由は、多分そのあたりにあるんだなと思う。某絵本・アニメが歌舞伎化のニュースに、雑考。まあでも、食わず嫌いはいかんのだ。歌舞伎もミュージカルもオペラも、それなりには良いと言われるものを残り少ない人生の優先順位を考えながら、見ていこうと思う。

7 毎日同じ時間に実家の庭を偵察する猫がいるんだと知った。

8 家の中から毎日少しずついろんなものを持ち帰る。ごめんねごめんねと思いながら、思い出のトリアージみたいな。

9 数年前初めて入った時カレンダーは一学期のある月が開かれたままだった。今日入るとちゃんと10月になっている。しかもこだわりのある素敵なカレンダーだった。こういう小さなところにその先生の苦労や努力や成長が見える。そしてぼくが継続して定点で入り続ける仕事の意味も自分自身でわかる。感謝。

10 今日は父を実家に連れて行けてよかった。旭川はバスの便がどんどんなくなって父には不便な街だ。冬が近い。父が元気に冬を超えてくれたらと思う。

11 右足が痛む。膝、太もも、ふくらはぎ、足首。

12 旭川から戻ってくる電車の窓から見える景色がとても美しかった。雨が抜けるに従って冬の冷たい空気が入ってくる。夕刻の美しい日差しの色がこの世のものとは思えぬほどだった。ぼうっと見ていた。

13 結局ずうっと客はぼく一人だった。これをずうっと走らせることの大変さ。運転手さんに感謝の言葉を一言添えて降りる。

14 「熟慮」と「対話」に耐える足腰を育てなくちゃいけないんだよな。自分にも子どもたちにも。

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15 どうすればいいか・・・まず、学校教育の危機を、誰かに責任を押し付ける形ではなく、ちゃんと熟議しなくちゃいけない。そういう場所には、ぼくは出ていって話もいいなと思う。

16 この時期の学校。小さなトラブルがプチプチ湧き起こる。台所に湧くコバエのように。本当は台所シンクの構造が悪いのかも、三角コーナーが原因かも、そもそも食材かも、水道管かも…そういう根本の原因を考える余裕もなく、ひたすらコバエホイホイを置き続ける。

17 でかい声で世の中を変えようと叫ぶ人を見るたびに、この人は世の中を変えるために目の前の人にもでかい声を上げるのではないか、と想像してしまう。

18 広島交響楽団&アルミンク&江口。ゲニューシャスの代演の江口さんは素晴らしかった。それにしてもよりによって18変奏の終結部に携帯鳴らすとはほとんど凶悪犯罪だ。素晴らしいアンコール(ラフマニノフ前奏曲)の最中にも。

 

ぼくの2022年4月以降の働き方について(修正あり 3/4)

2021年10月になりました。今年度の後期がスタートです。そこで、次年度の自分の働き方について示し、皆さんのご協力をお願いしたいと思っています。

・月曜日から水曜日は学校に入りたい。

・木曜日から金曜日はばん走したい。

以前からお話している通り、2022年4月より最低1年間はぼくは小学校もしくは中学校で働こうと考えています。その理由も近しい方々はご存知の通り、今の「ばん走」の仕事は学校の現状・現実との真摯な向き合いをベースにしているからであり、すでに学校を離れて4年半が経過したぼくにとっては、学校で子どもたち・先生方と楽しみながら苦労する時間と場を必要としているからです。ぼくには、「ばん走」の仕事と学校の教育活動とを並行的に行き来する日常をベースに働きながら提案していきたいという願いがあります。

 

そういうことで、2022年4月から月曜日から水曜日の毎日。学校に入って主には授業を子どもたちと一緒に創っていけないかなと思っています。また学校研修をベースに学校研究と組織開発を進めたいという学校について内部でそのお手伝いをしていくことも上記の条件の中で可能です。条件に適合すれば学級担任の補助や新卒のお手伝いも可能です。

 

小学校は国語の専科で入ることはなかなか難しいでしょうが、ぼくの可能性にかけてみたいという学校とは真摯に対話をして実現したいと思っています。また中学校においてはもちろん教科指導をベースに指定の曜日については午前午後を問わず入ります。

公立の学校でという優先的な希望はありますが、願いの強さと条件によっては、私立も考えます。

 

なお、木曜日ないし金曜日は、これまでと同じような学校ばん走・個人ばん走を続けたいと考えています。こちらのご希望もできるだけ早急にご連絡ください。内容や条件はまだはっきりしなくても構いません。

 

上記のことについての通勤や金銭の条件です。

勤務については、ぼくが暮らしている国立市から勤務できることが希望です。自治体の金銭的条件や休暇などの条件に基づいて、ぼくの方も判断をします。

また、ばん走については、関東圏(電車程度で日帰り圏内)がメインになりますが、交通費もご用意いただくことを条件に、関西圏・四国・中国・九州・東北・甲信越も検討します。

交通費・宿泊費は、北海道以外は、東京都国立市を発着に最も一般的な交通手段で試算ください。一校・お一人・一グループで持てない場合は、木金曜日と一緒に呼べるペアを探してください。私も夜や直近の土日に研修会を入れて、できるだけ皆さんの持ち出しがないようにするつもりです(これまでもそうしています)。例えば関西地区であれば、二校が共同なら、交通費を片道ずつ折半で呼べるという考え方です。

いただくお金の最低額は謝金10000円と片道分の交通費です。ここまで準備いただければ行きます。片道分の旅費については東京都国立市からの標準的な交通手段で計算して下さい。その額が10000円を超える時は、10000円を最大としていただいて結構です。つまり、遠隔地でも謝金と交通費の合算で20000円用意いただければいくというルールです。

これは自分でも破格の安さと思っていますが、暮らしていけるギリギリで良いと決めて飛び込んでいる仕事なのでこの条件は堅守します。ただし、宿泊費などもかかり、これではカツカツですから、多くいただけるのはとても嬉しいです。

北海道については、移動に合わせる形で講師料のみでのばん走も可能です。

 

なお、1on1オンライン対話は次年度も継続して行っていく予定です。ワークショップ・ファシリテーション型の研修講座については、オンラインではお引き受けしません。講演型・対談型については、要相談です。内容によってはお引き受けします。

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以上とりあえず今考えていることを速報的に書きました。

遠慮なくご相談ください。真摯に検討いたします。

 

 

 

 

2021年度後期研修講座予定(それでもリアル講座を開催します 10/1更新)

今のところ、こういう日程になりました。

f:id:suponjinokokoro:20211001010146j:plain21/10/19 火曜日 連続講座1(国立)「コロナと学校」

21/10/22 金曜日 連続講座2(園田)「石川学級を映像で見る」

21/10/23 土曜日 連続講座3(神戸、多賀一郎さんと)

21/10/24 日曜日 連続講座4(舞鶴、多賀一郎さんと)

21/10/28 木曜日 連続講座5(甲府)「コロナと学校」

21/11/4 木曜日 連続講座6(大島)「ゲストティーチャーと創る授業」
21/11/10 水曜日  連続講座7(新大阪)「コロナと学校」
21/11/20 土曜日 連続講座8(熊本)「コロナと学校」
21/11/22 月曜日 連続講座9(国立)「村上聡恵さんと」
21/11/23 火曜日 連続講座10(本八幡)「コロナと学校」
21/12/8 水曜日  連続講座12(あざみ野)「コロナと学校」
21/12/14 火曜日 連続講座13(国立)「個別最適な学びとは」
21/12/17 金曜日   連続講座14(札幌)「大野睦仁さんと」

21/12/26 日曜日 連続講座(本八幡)「飯村友和さんと」
22/1/14 金曜日  連続講座15(札幌)「コロナと学校」
22/1/15 土曜日 連続講座16(仙台)「坂内智之さんと」
22/1/16 日曜日 連続講座17(水戸)「矢代貴司さんと」
22/1/18 火曜日 連続講座18(国立)「伊東大介さんと」
22/2/6 日曜日 連続講座19(神戸、佐藤隆史さんと)
22/2/8 火曜日 連続講座20(あざみ野)「個別最適な学びとは」
22/2/9 水曜日 連続講座21(国立)「新しい教育運動を考える」
22/2/14 月曜日 連続講座(奈良)「小野領一さんと」
22/2/16 水曜日 連続講座22(新大阪)「福島哲也さんと」
22/2/23 水曜日 連続講座23(稚内)「授業づくり・学級づくり」
22/2/27 日曜日 連続講座24(名寄)「コロナと学校」
22/3/3 木曜日 連続講座25(園田)「コロナと学校」
22/3/8 火曜日 連続講座26(大宮)「コロナと学校」
22/3/27 日曜日 連続講座27(札幌)「鈴木哲実さん&戸来友美さんと」

すぽんじのこころでつぶやく 2021年9月下旬

1 圭さん、眞子さん、よかったな。

2 あわてて出てきたので、シャツが裏返しだ。このまま新宿まで行くしかない。

3 用意したツール、作った仕掛けは、そのものの価値や可能性を信じて用意したのだから、そのものの効果が上がるように全力で本気で使わないといけない。ここの躊躇が授業の成否を分ける場面によく出会う。

4 若いチャレンジに対して先回りしないことは本当に難しい。おそらく一番大切なのだが、とことん難しい。

5 クリティカルにあたたかく見守ることは難しい。温度は確実に相手に伝わってしまう。これはもうほとんど全てこちらのマインドセット人間性の研磨の問題か…。

6 いきなり「忌憚のない意見」を述べる研修講師なんてほぼいない。「耳心地の良い言葉」を残すのが普通だ。ただ一回の異邦人的関わりで組織の個人の何かがわかりそれを変えたりできるわけがない。言いにくい聞きにくい話をしたいならインスタントな関係を越える意思を持って時間を積み重ねねばならない。

7 政治家・官僚の別なく政策立案者・執行者・遂行者が最後まで責任を取って活動するところをもう長いこと見たことがない。ぼくらはたいてい置き去りにされる。なお地方の場合はその限りではないがそれは多分執行対象の顔が見えるからだろう。ちなみにこの件、別に怒ってつぶやいているわけではない。

8 さて、今日も安定の上着裏表逆でした。電車内で袖を抜いてぐるっとする。

9 ブラームスのvncon.ブルガリア国立放響とミンチョ・ミンチェフというヴァイオリニストの演奏。このミンチェフさんの演奏が素晴らしい。豊かな音量、温かな音色。安定した技巧。何よりも遊び心と歌心。知らない演奏家がたくさんいるんだなと思う。

10 今日は、たくさんいただいていた手紙を、整理した。大切な方からの大切な手紙は、捨てられないね。

11 今日は、ひかり。ひかり号。日本の成長期を知る者には、たまらない響きのある乗り物だ。

12 うーん、原稿書けないな。というか、自分の仕事の紹介だけで3分の1くらいになってしまう。どうしたもんかな。

13 アベノミクス的トリクルダウンの劣化版だものねぇ…せめてそこにファシリテーションや熟議があればいいのだけれど…むしろファシリテーションや熟議を「装ってくる」からいよいよ始末が悪いのよ…。差配する側の「やりました」ではなく参画する側の「充分話しました」がいつでもオリジンなんだけどね。

14 うちには、自分で購入したり人からいただいたりしたたくさんのお茶がある。しばらくコーヒーは外で飲むだけにして、家ではそれらのお茶を飲んでいる。今朝は季節外れの桜のお茶。

15 「きれいごとにしか見えない」という感情をぼくもいろんな人や場所行為に対してしばしば抱いていると思う。そうした感情から自由になることはとても難しい。

16 あなたの願いが私の願いと違っているという時、どう振る舞いどう決めるのか。よい天気。台風がやってくる。もうすぐ。

17 新しいものを創るっておもしろくて大変。みんなで順調に悩みを楽しめるかだね。「べてるは順調に問題だらけ」のメッセージは今もずうっと響いてる。

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アートを旅する 2021年9月下旬

松下功 MEMORIAL CONCERT2021第一部

ムジカーザ、小さなホール。こうした小規模のホールにハズレなし、とても良い響きで、LIVEを堪能した。
土屋律子さんの愛に満ちたピアノ。渡邉智美さんの爽やかな歌声。松下作品は日本的な抒情があふれる佳品揃いだった。プーランクの”象のババールのお話”は、これを聴きに行ったのだが、やっぱりよくわからない曲だった。

オーケストラ・トリプティーク第9回演奏会

山田耕筰松村禎三黛敏郎伊福部昭團伊玖磨錚々たる日本の作曲家の若い時分の作品を並べて聴く演奏会だったが、芥川也寸志の”弦楽のための三楽章「トリプティーク」は、もう群を抜いた名曲なのだと改めて思った。この曲は、世界レベルの頭はいくつも飛び抜けた歴史に残る名曲だと思う。恐るべし。若いオケ、熱があっていいな。どの曲も明晰に振り分けた藤岡幸夫さん、さすが。渋谷区さくらホール。

二子玉川ライズ薪能

二日日程の初日。二子玉川の商業施設の屋上のガーデンでの薪能は、周囲を取り巻くオフィスビルやタワマンの現代的な灯りとのマッチングが素晴らしくて、よくぞここでお能をやるなどと考えたものだと感心してしまった。、若い頃に見た能も狂言も実はぼくには退屈だった。それで久しく跨いできたのだが、歳を取る、知識を得るということは、素晴らしいことだなと思う。55歳になろうかというこの歳に観るお能はしみじみと美しく楽しかった。構造が見えるのだ、様々な。

札幌交響楽団名寄公演

カルメン」に感動してしまった。名曲というのは本当に名曲なんだな。どの曲も素晴らしすぎるじゃないか。ベートーヴェン7番も、しっかりとしたテンポで歌う舞踏で、ここしばらくで聴いた同曲の演奏では一番よかった。円光寺雅彦さん。堅実で良い仕事をする指揮者だった。札響は地方公演でも手を抜かないね。素晴らしい。en-rayホール。

盛本学史絵画展

ピカソ画廊。久々に会う盛本さんは相変わらず素敵であった。今回は絵本仕立ての絵画+テキストがとても幻想的で、なかなかよかった。盛本さんの作品は、玉手箱のようにいろんなびっくりするものがどんどん溢れ出てきて、本当に楽しい。光工場の連作はとてもいい。

コンサート×お芝居 ベートーヴェン物語

大雪クリスタルホール音楽堂
みむみむの森という一般社団法人が全国の親子のために一流のアーティストたちで構成して展開する1時間ほどのコンサート。東京演劇アンサンブルの俳優公家義徳さんがベートーヴェン役。この日の演奏者はピアノの三村真理さんとフルートの小野範子さん。久しぶりのクリスタルホールに感激。お客さんは本当に少なかったけれど(宣言下だし)、本気で音楽の素晴らしさを伝えようとする入魂の演奏に心が動かされた。手前味噌だけど、コロナ下でもライブ講座をやめずに続ける自分の姿と重なって、とても大きな勇気をもらった。

京都フィルハーモニー室内合奏弾第28回定期公演A「平和の願い」

京都フィルハーモニー室内合奏団&柳澤寿男さん。ショスタコ室内sym。いやあ素晴らしかった。コソボでまさに平和を希求しながら音楽活動を続けてきた柳澤さん入魂の演奏。応えるオケも素晴らしい。名演。後半の山本純ノ介さんの音楽劇「月のうさぎ」。茂山宗彦さんの語りはスターの存在感十分だが、ケレン味が 笑 演奏が耳に入ってこない・・・。講殿由紀奈さんのソプラノがとてもよかった。まさにハマり役! 京都まで日帰り往復だったが、聴きに行ってよかったなあ。京都コンサートホール小ホール。

岬のマヨイガ

よい作品だった。それはまさに本の出来栄えの違いということでもあるのだが、竜とそばかすの姫よりもずうっと切実さも訴求力も上でした。語りをベースにした作品である以上、圧倒的な語り手が必要であり、この作品なら三世代の名優をアフレコに使う必然性もあった。ここに書くことではないかも知れないが、細田さんは脚本を手放した方がいいと思う。どこをファンタジックに(しか)解決すべきなのか、柏葉幸子さん(パンフレットには、表現者としての誠実な紹介文がありました)も脚本の吉田玲子さんもちゃんとわかっている。細田さんにはそこは真逆に理解されており、だから、物語は限りなくチープになる。チープに扱ってはいけないテーマなのに、ね。観客は3人。上映まもなく終了だろう。間に合ってよかった。イオンシネマむさし村山。

Youth Choir Aldebaran第3回演奏会

「黄色い鳥のいる風景」がどうしても聴きたくて。後半は栗山文昭さんの指揮。三善晃は本当にすごい作曲家なんだなと思う。若い合唱団である彼らがひたむきに歌う青さに心が動いた。にしても素晴らしいギター(羽野誠司さん)が、最後は抑制が効かない若い合唱であまり聴こえない 笑 そういう若さがまた良いのである。杉並公会堂

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本気でアートに浸る9月後半だった。