アートを旅する

日本フィル。東京芸術劇場。3/17。

久しぶり。

太田弦さん指揮。ピアノは伊藤恵さん。シューマン

シューマンのピアノ協奏曲がこんなに端正に聴こえたのは初めて。でも伊藤のピアノは弱音に至るまで豊かな表情であり、オーケストラの、棒切れのようなフレーズの扱いが、この訥々として色彩のない感じを作り出しているのだと思う。びっくりするほどゆっくりとした演奏を構築しているのは伊藤のピアノ。若い太田は大健闘だと思う。

シェエラザード。木野さんのソロは木野さんが若くたおやかな女性に見えてくるほどの豊かな表現に満足。太田さんの細部をハッとするほど美しく鳴らせる腕に驚き。しかし、全体として、それがシェエラザードという物語だったかというと少し疑問も。指揮者の才能を十分に感じつつ、だからこそ、もっともっと、と思う。

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アーノルドローベル展。立川play.3/20。

こんなに近くにこんな素敵な場所ができて、感動。ローベルは詩につうじた画家。でも日本にはほとんどそれらは翻訳されていないんだね。そういうことが知れた。作品の圧倒的な面白さと展示の面白さが相まって、近年稀に見る面白さだった。