アートを旅する 2022年7月上旬

●エコミュージアムおさしまセンター アトリエ3モア

砂澤ビッキに会いに行ってきた。やがて朽ちていくものを、朽ちていくプロセスごと見るということ。若いアーティスト川村未紗さんの個展も開催されていて、非常に目を引く人物がであった。何というのだろう、対象への愛があると言えばいいのか。近親の方を描いていくそのアプローチは、きっと川村さんと世界との距離感なのだろう。これからその描く世界はどんなふうに広がっていくのだろう。

 

●生き続けるモダニズム建築展(中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館ステーションギャラリー)

旭川市の市役所(旭川赤レンガ市庁舎)はモダニズム建築の代表格として大変有名であり、手狭になった建物をどうするのか、ずうっと議論が交わされていたのを覚えている。道内の様々な建築物のパネル展。知らない建物もあったが、面白いかというと、うーん、というところだった。、

 

●オーケストラアンサンブル金沢第156回定期公演マイスター・シリーズ

OEK&スダーン、三浦。三浦さんのラヴェルは素晴らしかった。詩的で瑞々しい。繊細。こわれものに大切に触れるような気持ちになる。一曲目のフォーレペレアスとメリザンドで好演だった金管木管はよかったのだが、ラヴェルのピアノ協奏曲では一転、三浦のピアノの邪魔になってしまったと感じた。最も、これはスダーンにコントラストをつける狙いがあったものと思う。その解釈がぼくには合わなかったということ。後半はシューマン2。会心の名演。2楽章後、スダーンが自ら第一ヴァイオリンに拍手を! あまり見たことのない光景だった。オケを鼓舞し、豊かに歌い。4楽章は楽譜をめくるのも指揮の一部のようだった。アンコールはなんとトロイメライ。スダーン、素晴らしすぎる。