アートを旅する 2022年7月下旬

大阪交響楽団定期演奏会

コンマス森下幸路さん、指揮ガブリエル・フェルツ。

前半は、ブラームスの悲劇的序曲と二重協奏曲(白井圭と門脇大樹)。なんというかものすごい田舎臭い! こういうの好き。感激! 実に温かい。ソロの二人の水準、ことに白井さんはやはり素晴らしい。あまり得意でないこの曲をじっくり聞かせていただいた。ソロのアンコールはブラームスの愛のワルツ。28年前の連弾ぶりの再会。最初弾き始めた時にはわからなかった。最初の妻との結婚式で弾き、それ以来ずうっと眠ったままになっていた、大好きな曲だった。気がついて、少し涙が出た。ありがとうございました。

後半のベートーヴェン7番。以前このオケを奈良で聴いた時と同じ。その時は、三ツ橋敬子さんで三ツ橋さんの明るく軽快で明晰な音楽にとても好感を持った。今回は、フェルツ。いやあすごかった。かつてPMFで聖チェチーリア管とティーレマンで聴いた超快速の7番以上の快速だったが、テンポの振幅も大きく、しかしなんだろう温かく小気味よい7番だった。しかも随所に際立ったみずみずしい解釈あり。聞き慣れた曲なのになあ、フェルツさん、目の離せない指揮者。大成しそうだと、思う。ドイツの久しぶりの大器晩成型指揮者か。すごいぞ。大阪交響楽団。上手。ティンパニ熱演。

にしても、7月後半もほとんど何かに触れる機会もなく。秋はたくさんいろんなものを見聞きしたいのだが。