蝦夷の教育文化フェスティバル終了 2019.3.23

退職になる大谷和明さんへのこれまでの限りない感謝をベースに行う会でした。70名満席。それぞれがいま最前線の提案をするという内容。

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個人的には、山田洋一さんの「論理作文を軸とした互恵的校内研修システム」の提案が、ぼくの興味や関心ともとても重なっており、やはり面白かったです。書くという方法への特化がややキツすぎるのでは、という心配もあるのですが、システム思考で、どの学校でもできるようにするという問題意識はとてもよくわかります。これまでの民間研修での仕事が、一人一人の現場の改善に繋がっていないという強烈な自己批判が根っこにあることもわかって共感できました。彼は「自己満足だったのでは」という趣旨のことを投げかけていましたが、まさに、自己満足だったということです。それを50歳にもなって気づかされる日々は辛いけれど、彼のいう通りなのです。

山田さんの話をお聴きするのは10年以上ぶり、でしょうか。

ぼくの提案は、最新のものをと言われたのだけれど、それは30分では無理だなあと思いました。また、それがこの会での自分の役目でもない、と感じていました。お客さんの中には、ぼくのリフレクションの話が聴きたいという方も少数いらしたのでしょうが、今日ぼくがしたかったことは、大谷さんへの感謝とリスペクトを、授業と実践史との交差点でお渡しするということでした。届いたかな・・・届いたなら嬉しいです。

北海道の皆さんには、連続講座を準備しました。どうぞそちらにいらしてください。

www.kokuchpro.com

ずうっと気がかりだった仕事が終わってホッとしました。

今年度は後は関東学院小学校の校内研修と、リフレクションイベントの二本だけになりました。新年度からの自分の立場が宙ぶらりんで、気持ちがざわざわしています。

www.kinokuniya.co.jp

ざわめきやまない。

ざわめきやまない (地平線ブックス)

ざわめきやまない (地平線ブックス)

 

 帰りの電車は、いよいよweの原稿に手をつけよう。

父も寂しがっているでしょう、きっと。

 

190319あさひかわ新聞連載「くんちゃんのはじめてのがっこう」

くんちゃんのはじめてのがっこう ドロシー・マリノ まさきるりこ

ペンギン社 

くんちゃんのはじめてのがっこう

くんちゃんのはじめてのがっこう

 

先日、関西のある小学校の1年生に読み聞かせしました。2月末から3月は、小学校1年生にとって、自分たちが後輩を迎える準備をしていく季節でもあるのです。この絵本は、タイトルの通り、熊のくんちゃんがはじめて学校へ行く日を描いた作品。読み始めに、子どもたちに、「入学の時のこと覚えてる?」と聞くと、「覚えてる・・・めっちゃ楽しみやったねん」「なんかお腹痛くなった」というような子もいれば、「全然覚えてへんわ」という子も・・・。小学校1年生、こんな感じですよね。

さて、少しざわざわした教室です。でも登校の楽しい様子に引き込まれ、くんちゃんが教室でだんだん不安になっていく辺りになっていくと、ググッと静かになって、自分とくんちゃんとを重ねて聴き浸っているようです。飛び出してしまうと、「ああ」という声。失笑。1年生も失笑するんですよ。その後のユーモラスな展開も授業のさりげない質の高さと相まって、見事な絵本です。

読み終わった後、隣同士の子どもたちで、心配な気持ちで入学してくる1年生にどんなことしてあげたいかお話ししてみようかというと、あっという間に話しこんでいきます。この時期、ぜひ小学校の教室で読みたい絵本ですね。

大人であるぼくは、この絵本を読むといろんなことに気づかされます。

例えば、授業が普通に異学年で行われていくこと。それよりも何よりも入学式みたいなものはなくて、いきなり授業が始まること。保護者は初日でも子どもを置いてさっさと帰ってしまうこと。

本の学校のしきたりが、世界の学校のスタンダードって訳でもないんだな、とよくよく知れる本でもあります。

 

3/28 紀伊国屋新宿本店 リフレクション(省察)で教師は育つ! 『リフレクション大全』『リフレクション入門』『小学校の模擬授業とリフレクションで学ぶ 授業づくりの考え方』刊行記念イベント

3月28日、紀伊国屋新宿本店! 

教師の学び方として脚光を浴びる「リフレクション」。今年に入ってから立て続けに刊行された『リフレクション大全』、『リフレクション入門』、『小学校の模擬授業とリフレクションで学ぶ 授業づくりの考え方』のそれぞれの著者より石川晋、山辺恵理子、渡辺貴裕の3名が集って、「リフレクション」を取り巻く状況や自著および互いの書籍について自在に語り合います。

www.kinokuniya.co.jp

電話でのお申し込みという、なかなかアナクロな手法ですが、順調に人数増加中。もう少し来ていただけると楽しいかなという感じです。

ぼくのことはまあいいとして(刺身のつまみたいなもんでして)、渡辺さんと山辺さんが公開でお話しするのを見るというのは、ちょっとなかなかない機会です。

まだ三冊、目を通していなくても大丈夫。会場ではもちろん購入もできます。

皆さんどうぞいらしてください。

リフレクション入門

リフレクション入門

 
授業づくりの考え方 ―小学校の模擬授業とリフレクションで学ぶ

授業づくりの考え方 ―小学校の模擬授業とリフレクションで学ぶ

 
授業づくりネットワークNo.31―リフレクション大全 (授業づくりネットワーク No. 31)

授業づくりネットワークNo.31―リフレクション大全 (授業づくりネットワーク No. 31)

 

 

 

 

色々と事情があって・・・昔の文献を読んでいる

色々と事情があって、昔の文献を読んでいます。

授業づくりネットワーク誌は創刊号から2001年までのものに目を通しました。それ以降のものも少し目を通しました。

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それからフロム”A”誌の創刊準備号と創刊号。

そして、ぶらっしゅあっぷ教師力。

いろんなことを考えているうちに、時間が過ぎていきます。

 

国立市立国立第一中学校へいく 2019.3.18

ガラス棒を熱して実験用のスプーンを作る授業。

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今日は今年一年間見続けてきた1年生ではなく、昨年継続観察した2年生でした。ちょうど、今年度の最初に授業づくりネットワーク誌に報告をした、あの子達です。

授業づくりネットワークNo.29―現場発! これからの授業とクラス~ひらく・つくる・つくり続ける~

授業づくりネットワークNo.29―現場発! これからの授業とクラス~ひらく・つくる・つくり続ける~

 

一時間目のインストラクションから三時間目まで、太智さんのインストラクションの質はどんどんあがりました。それに伴って子どもの活動の質もあがリます。一時間目のインストラクションのみ、大学時代の研究の話が入る。実験費が少なくてスプーンは自作だった…という話がありました。

この学年の子たちは実験のたびに実験道具を自作してきたわけですが、太智さんの授業実践のルーツがぽろっと語られることの意味。インストラクションとしてはノイズに近いこの言葉が、二時間目以降のインストラクションの中で「精選」されて無くなっていく・・・考えさせられるポイントでした。

いずれにしても実験器具ををつくり続けてきた子らが、最後に実験器具をみんなで作るという活動は、アート(芸術)な店じまいだなと思いました。

この教室を見続けてきた数人と見ることができたのもよかったです。

今日で二年間の井上学級訪問が終わりました。

井上さんと、そこに集まるたくさんの人たちと、考え続ける時間。もうこんなに豊かで静かで深い観察と思考の時間はないだろうなあと思います。

 

 

群馬交響楽団 すみだトリフォニーホール 2019.3.17

大友&群馬交響楽団、レジス・パスキエ。

ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲とベルリオーズ幻想交響曲という重厚なプログラムでした。群馬交響楽団はじめて。

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ソリストへの尊敬と愛に満ちたオケ伴。そしてなんと洒脱でエレガントなソロ。パスキエはすでに老齢。いつか都響とのアンサンブルで聴いたウト・ウギの時にも感じたが、技術も音程ももう明らかに全盛期を過ぎているのだが、歳を取って得るもののなんと豊かなことでしょう。美しい演奏でした。大満足。

しかし、驚きはこれでととまらず・・・。

幻想交響曲は、大熱演。客席中央で、断頭台の手前くらいから、ものすごい高いびきをかく観客がいましたが、多分、演奏会場で卒中を起こしたんだと思います・・・お気の毒でした。しかし、トラブルもあってのですが、終始途切れぬものすごい集中力。そして、 地方オケでは珍しい渾身の音圧。大友の確かな構成力、そして、渾身の表現豊かな棒。感動してしまいました・・・。

それにしても、ベルリオーズってすごいなあ。ベートーヴェンの作ったものを、遥か違うものに進展させた妄想の大天才なんだな。

大友さん、常任最後のステージなんだね・・・群馬で素晴らしいお仕事をされたんだなと知りました。

 

 

兵庫芸術文化センター管弦楽団演奏会 2019.3.15

以前から気になっていたオケ。

今回のプログラムは以下のようなものでした。

hpac-orc.jp

名匠フロール。今回の聴きものは、フアンチのシューマンのピアノ協奏曲でした。

席は一階の最後列に近いところだったのですが、音量の大きなピアニストではないけれど、実に表現豊か。何よりも、繊細な音色、閃きで弾いていくような・・・リリカルという言葉がぴったりか。聴きながら、時折、ルプー&プレヴィンの名盤を思い出すこともあるような、見事さ。見入ってしまう、聞き入ってしまう天才でした。

木嶋真優のヴァイオリンを初めて聞いた時のような・・・でも木嶋のようなこちらが息苦しくなるような感じではなく・・・。

フロールも彼女の繊細な音色の良さを十分に生かす苦心の棒。若いオケを巧みにコントロールして、ある意味室内合奏のような風合いの演奏でした。

アンコールのグリーグも良かった。病まずに、大成してほしい。また聴きたいと思いました。

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ブラームスは、フロールの骨太な解釈に食らいついていく様相。2楽章のコンマスも素敵。しかし、最後のクライマックスの前、ぐうっと速度も重心も落としたところで、オケのスタミナが切れてしまいました・・・いや、もう若いオケ自体が、「前に行きたいという思い」で心の中は伸びきってしまっていたんだなぁ・・・残念、残念なクライマックスでした。

 

後方席だったからなのでしょうか。寝息、何よりもあめちゃんのペラペラチャラチャラいう音の攻撃が終始止まず閉口しました。平日の昼だけれど、満員。神戸のハイソなおじさんとマダムで埋め尽くされた会場は、社交場(サロン)みたいでした。それでもいいのだけれど、曲の余韻を待てぬブラボー。失速したのに・・・1番に浴びせる怒号のような(聴けてない)ブラボー…。どう言ったらいいのかなぁ、ぬるま湯のような場所だと思いました。若く意欲のあるオケ、アンサンブルも素晴らしい。でも、この聴衆では、このオケを育てられないと、率直に思いました。残念なお客さんたちでした。

卒業式に寄せて 祝文

北海道の中学校は卒業式です。

ぼくが最後の一年を副担任として過ごした1年生も卒業です。祝文を送りました。なんとなく、ブログに残しておきたい心境になりました。

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卒業生の皆さん、そしてM先生へ 

  

 ご卒業おめでとうございます。

 3年間あっという間だったでしょう。

 

 M先生が君たちを迎え入れた日のことを、僕は今でもよく覚えていますよ。

 

 君たちの前に立って、大きく深々と深呼吸をし、

 「ぼくは君たちに会うのを十年前から楽しみにしていました。高校生の時に先生になろうと決めた時から、この日を本当に楽しみにしていて、君たちに出会って感動しています」

と君たちは入学の最初の言葉をM先生からいただいたのでしたよ。

 

そうです。人生初めての担任と、悪戦苦闘しながら過ごしていく時間というのは、願ってもなかなか手に入らない時間です。時に反発し時にぶつかり合い、時に分かり合いながら、大切な3年間をきっと乗り越えてきたことでしょう。初々しい担任と手探りで多感な3年間を乗り越えてこれたことを、ぜひみんなで喜び合ってください。

 

ぼくにはぼくが去った後の2年間がどんな日々であったかは想像できません。

ただ、迷った時、困った時、苦しい時、君たちが戻れる場所が、ここであったらいいなあと願っています。

 

ぼくは中学校を卒業して37年の時が経つけれど、今でも中学校の校歌を歌うことができます。中学校とは、そして故郷とは、そういう場所です。

 

さ、一歩ずつ一人一人の人生を切り開いて進んでくださいね。

 

ご卒業おめでとうございます。 

                                   石川 晋

まさに地上戦の一日

メールやメッセンジャーを駆使して連絡していても、こりゃあ地上戦だよなと思う。そういう一日でした。一体どのくらいの人とどのくらいのこまごましたやり取りをしたのか・・・。

授業づくりネットワークNo.32―学び手中心の授業の始め方

授業づくりネットワークNo.32―学び手中心の授業の始め方

 

ついに春号登場。今回の巻頭は、甲斐﨑さんと田中光夫さん!

春から、活動型授業を始めたい、本格的にアクティブラーニングに取り組みたいという方に、おそらく一番の一冊です。

午前中はFBが完全ダウン・・・悲歌のシンフォニー聴きながら遠い目になっていました。

午後はいろんなやり取りをしながら、カイルベルト

ヨーゼフ・カイルベルト/テレフンケン録音集 1953-1963(22CD)

ヨーゼフ・カイルベルト/テレフンケン録音集 1953-1963(22CD)

 

 とにかく地上戦・・・の一日はまだ深夜まで続きます。

 

そういう流れなので・・・なんばで人間ドック

毎年この時期にする人間ドック。

今回は日程をみて、なんばで人間ドック。

胃カメラ、綺麗すぎるほど。

少し尿酸値上がってるくらいで、多分このあと送られてくるものも、問題なしでしょう。

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夜は冬出版に延期の本の引き続きの打ち合わせで、せいこさんと7時間。お待たせしがいのある丁寧な本になりそうです。

本を出すってこういうどっしりした時間、執拗な対話、時間も金銭も身を削る学び、そういうことの先に出来るものなんだよな。