兵庫芸術文化センター管弦楽団演奏会 2019.3.15

以前から気になっていたオケ。

今回のプログラムは以下のようなものでした。

hpac-orc.jp

名匠フロール。今回の聴きものは、フアンチのシューマンのピアノ協奏曲でした。

席は一階の最後列に近いところだったのですが、音量の大きなピアニストではないけれど、実に表現豊か。何よりも、繊細な音色、閃きで弾いていくような・・・リリカルという言葉がぴったりか。聴きながら、時折、ルプー&プレヴィンの名盤を思い出すこともあるような、見事さ。見入ってしまう、聞き入ってしまう天才でした。

木嶋真優のヴァイオリンを初めて聞いた時のような・・・でも木嶋のようなこちらが息苦しくなるような感じではなく・・・。

フロールも彼女の繊細な音色の良さを十分に生かす苦心の棒。若いオケを巧みにコントロールして、ある意味室内合奏のような風合いの演奏でした。

アンコールのグリーグも良かった。病まずに、大成してほしい。また聴きたいと思いました。

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ブラームスは、フロールの骨太な解釈に食らいついていく様相。2楽章のコンマスも素敵。しかし、最後のクライマックスの前、ぐうっと速度も重心も落としたところで、オケのスタミナが切れてしまいました・・・いや、もう若いオケ自体が、「前に行きたいという思い」で心の中は伸びきってしまっていたんだなぁ・・・残念、残念なクライマックスでした。

 

後方席だったからなのでしょうか。寝息、何よりもあめちゃんのペラペラチャラチャラいう音の攻撃が終始止まず閉口しました。平日の昼だけれど、満員。神戸のハイソなおじさんとマダムで埋め尽くされた会場は、社交場(サロン)みたいでした。それでもいいのだけれど、曲の余韻を待てぬブラボー。失速したのに・・・1番に浴びせる怒号のような(聴けてない)ブラボー…。どう言ったらいいのかなぁ、ぬるま湯のような場所だと思いました。若く意欲のあるオケ、アンサンブルも素晴らしい。でも、この聴衆では、このオケを育てられないと、率直に思いました。残念なお客さんたちでした。