静岡交響楽団第38回定期演奏会 2018.10.27

静岡市清水文化会館マリナートホール。
山下一史指揮。ゲストは通崎睦美さん!
曲目はモーツァルトリンツ紙恭輔の木琴協奏曲。シューマンの春。
来てはじめて知ったのですが、コンサートマスターが藤原浜雄さん! それにアシスタントコンミスは札響にいた大森潤子さんでした。
さて、ホールはやや縦長で音響少し不安。でも席が前方ということもあり、特に通崎さんの木琴はもうばっちりの響きでした。
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で、感想。
順番を入れ替えて、やはり通崎さん、木琴協奏曲。これはもう見事。昭和19年の作。ジャズを封じられた紙の心境、初演の平岡養一の心中を思うと、この底抜けに明るい楽曲の力強さに心揺さぶられました。オケもよい合わせでした。

リンツは全般に機能的できびきびしているんだけど、やや単調。中で進め悪い意味ではなく、藤原さんの素晴らしい音色と表現力が際だっていて、藤原さんが牽引するオーケストラなんだなあ、と。

シューマンの春は、団員も力演。シューマンの若き日の情熱があふれ出てくるような曲なんだな、ライブでこうして聴くまで感じたことがありませんでした。
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先日の山響でも感じたことですが、まずまずアンサンブルは上手なのですが、パレットに出された色が少ないという感じ。そして圧倒的な音圧を感じる場面がない。ものすごく若いオーケストラで、女性率の高さもびっくり。これから伸びていくオケなんだな。
ホールに関しては、細長い分、音が響くけれど楽器ごとパートごとの音像が塊になって届いてくる印象。このホールでその辺りがクリアに聴こえるように弾き切れるオケになったら、すごいよなあ、と。
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それにしても、ありがたいプログラムでした、木琴協奏曲、一楽章後に客席から自然と拍手が。ぼくも思わず目が濡れる…秘曲でした。こんなに明るい曲なのに。アートもまた時代の文脈とやっぱり切り離せないもの、と思います。