ちょっと思うところあって、過去に書いたものから、引用・抜粋してFBに上げている

デジタルデータとして残っているものは、90年代の半ばから膨大にあります。

それをちょこちょこ見て、おもしろそうなものを、FBに上げています。

ぼくの考えがずいぶん変わったんだなと思うものと、この辺は今もあまり変わらないなというものが混在していて、おもしろいですね。

もう一つは、引用・抜粋の冒頭に、執筆時期もしくは掲載時期をあげているにも関わらず、どうも今のぼくの考えの表明だと考えたり、今もぼくがそう考えているから上げているんだと考えたりする人が、結構いそうだなあということです。

本当にリアルタイムで考えていることなんて、FBに上げるわけがありませんよね。

例えば、下記のようなものを引用・抜粋してあげています。帯広市内の教職員向けに講演した後の振り返り記録ですね、これは。

【2009年6月】

1.実際に崩壊をしている先生が来ていた

 学級崩壊経験のある先生の、崩壊学級の先生への共感は大きい。裏を返せば、崩壊をさせたことのある人にしかわからない苦しみや悲しみ、つらさがある。

 一般に学級が崩壊したとき、崩壊学級の担任の動きは3つである。
①自分の力不足をせめる
 自分が勉強不足だからだ。自分の性格に問題がある。同僚に申し訳ない・・・。
②責任を誰かや何かのせいにしようとする
 こんなに暴れる生徒が悪いからだ。地域が温床だ。保護者の子育てが悪いからだ。生徒の生育暦に問題があるのだ。同僚が助けてくれないからだ・・・。
③状況を見ないようにする(ないことにする)
 これが普通で、特に問題はない。この程度の荒れは日本じゅうどこにでもある。とにかく3月までほうっておくしかない。かわいい子どもたちじゃないか。教室では何も起こっていない、問題はない・・・。

 この三つのうちのどれかではなく、複数の動きが重なる。
 新卒の時に学級が荒廃した私が取った行動は、上記の①と③である。

 で、多くの崩壊学級担任は、一般に①の反応を中心とする動きを取る人が多い。過度に自分を責めるのである。この日、崩壊学級を担任しているという先生が会場に来ているという事を事前に情報としていただいていた。
 壇上から見ていると、崩壊学級の先生だなと思う方は、見てすぐわかる。まず、表情が暗い。笑わない。そして、私の話をひたすらメモを取る。特に、今役に立つような処方箋的な内容を話し出すと、メモを取るスピードが速くなる。
 つらいだろうなと思う反面、多分状況は好転しないなと、その様子を見て、率直に思ってしまう。

2.管理職の決断が重要である

 崩壊学級を、崩壊学級の担任が建て直したという記録は、実は皆無に等しい。9割9分は立て直せない。なぜかというと、教師と生徒の間で壊れているのは「コミュニケーション」だからだ。こわれてしまった関係を建て直すことは、ほとんどの場合無理だ。夫婦関係しかり、友人関係しかり、家族関係しかり、職場の人間関係しかり・・・。学級崩壊というのは、完全に壊れてしまった関係なわけだから、当事者同士で建て直すことは、まず難しい。
 とすると、担任に必要なのは学級担任を降りる決断力(多くの場合、当事者はこれがない。自分を責めて頑張ろうとする)。管理職に必要なのは人事権者として、担任を代える決断。あわせて、任命責任者としての責任を負う覚悟が必要だ。
 この話をすると、何を若造が言っているか、という顔で嫌そうな顔をして、顔をそむける、多分管理職が会場にいた(笑)。まあ、いい、嫌われること覚悟でしゃべっているんだもの。いずれにしても、これでぼくはもう帯広市内転勤はないな(笑)。

3.構造はいじめ発生に関わる一連の構造と似ている

 いじめが発生すると、滝川市のように、「いじめはなかった」とか「ただいま調査中です」とかいう話になる。また、その他よく耳にする事例として「本当はいい子なんです」とか、「もともと大変な子どもなんです」とか「いじめられたほうにも責任があります」とかいう話になる。
これって、学級崩壊をめぐる議論と非常によく似ている。
 「崩壊というほどではありません」とか「事実関係がはっきりしてから話します」とか「子どもたちは本当はいい子たちなんです」とか、さらには「馬鹿親だ」とか「崩壊させた先生にも責任があります」とか。
 全く同じ構造である。これ、何の解決にも至らない。残念ながら。

 問題解決のプロセスははっきりしている。
 ①事実関係をできるだけ早くみとめること。
 ②担任を代えること。
 ③代えられた担任には、次のチャンスがあるということを必ず伝えること。
 ④管理職が任命権者としての責任を認めて保護者・生徒に誠実に対応すること。
 これがすばやくできれば、傷つく人は少なくて済む。

4.学級崩壊を起こしやすい教師のチェックリストがある

 このチェックリストはとてもよくできている。
 三上周治さんが1999年に発表した、『学級崩壊! 「荒れた学級」をどう“建て”直すか ●チェックポイント88の提案』(明治図書)に収められている。
 しかし、このチェックリストを見て自分で考えようともせずに鵜呑みにしたり、項目相互の関連に目が行かない人が、おそらく一番崩壊を起こしやすいタイプだろうと思う(笑)。項目には、表と裏の関係になっているものが数多い。要するに、その関係のバランスをどう取るか。ここにチェックリストの裏の意味があるわけだ。

①きちんとした先生でいたいと強く思い、ふざけられない人。
②子どもに「やさしい先生」でいたいと思って、あまり強く叱ることができない人。
③トラブルを極端に嫌う人。
④子どもと接するより、機器(パソコンなど)を触っている方が好きな人。
⑤慣れた方法の方が好きで、なかなか新しい方法を取り入れられない人。
⑥職員室などで、自分の考えをしっかり言うことがあまりない人。
⑦あまり教育書を買ったりしない人。(月3000円も使わない人)
⑧クラスの子どもの素晴らしさを、職員室であまり話さない人。
⑨自分の授業を研究会などであまり発表したがらない人。
⑩子どもにニックネームで呼ばれることのない人。
⑪子どもが先生の批判をしたり評価したりするのを嫌う人。
⑫自信がありすぎて、あまり人の意見を聞かない人。

 

この上記の記事を読んで、今の石川が同じことを考えているんだ、もしくは、同じことを考えているからこの記事を上げているんだと考えるのは、リテラシーが少し欠けているということになるわけですね。