Goodnight Saigon

Billy Joel.

2006年12月3日。ぼくは間違いなく札幌ドームにいて、Billy Joelのおそらく最後になるかも知れないと思っていた日本ツアーを観た(確かこの後もう一度だけ東京に来ていると思う)。Allentownは歌ったのだろうか、憶えていない。

ナイロン・カーテン

ナイロン・カーテン

 


Billy Joel - Goodnight Saigon (Audio)

1982年に発売されたこのアルバムを、当時中学生だったぼくは心待ちにしていた(堀の話では、高校生だったらしい・・・記憶は曖昧だね)。クラシックばかり聞いていたぼくにとって、ビリージョエルは最初の洋楽アイドルの一人だった。

今日は、久しぶりにナイロン・カーテンを聴いた。グッドナイト・サイゴンの衝撃を、今も覚えている。安いレコードプレイヤーでは、最初と最後にずうっと聞こえている不思議な音が、虫の声なのだと、はじめはわからなかった。ベトナム戦争。アジアの森・藪の中で聴く虫の声は、若いアメリカ兵たちにどんな風に聞こえていたのだろう。彼らの孤独をぼくが想像することはとてもできそうもない。

久しぶりに国立に戻り、桜並木の下を歩くと、樹上からこの時期だけの、たくさんたくさんの鈴虫の声が聴こえてくる。

ぼくはベトナムに行ったことはない。多分終生行くことはないだろう。だからベトナムの夜の虫がどんな風に鳴くのか、聴くことはないだろうと思う。だが、グッドナイト・サイゴンの中の虫は、どうもカンタンのような気がする。つまり、日本の夜の虫の声なんじゃないか、と。まあ、アジアの虫の声なら、フィル・ラモーンにとっては、なんでも良かったのかも知れないね(イメージってことか)。いや、それとも東南アジアにもカンタンの仲間は暮らしているのかな。