メモ・・・確定申告を終えた・・・リスクを分散する

少し前だが、確定申告を終えた。

ぼくの申告が間違っていなければ(多分間違っていない)、結構な額が戻ってくると思う。確定申告は、現職時代から行っていた。2000年過ぎに原稿を書く機会が増えてきたので、その時期から自己防衛の意味で始めていた。もう10数年になる。

当時は在職だったので、源泉徴収票道教委から出てくる。それにいくつかの会社から出てくる源泉徴収票に基づいて雑所得を申告書に記載するだけだから、簡単だ。図書費や研修費、それに伴う交通関係の領収書を一年分整えてあるので、少額だが、毎年還付があった。

ぼくの周囲の原稿を書く人たちが相談してくるようになったので、方法を教えた。正直に書くと教育書関係の執筆など単著執筆も含めてびっくりするほど少額の印税・原稿料しか入らない。

社会の常識に疎い管理職(自校の管理職ではない)が宴席でにじり寄ってきて、「たくさんもらってるんでしょ」などと話しかけてくるのが本当に嫌だった。そう言う時には、各社の印税率、自分の収入、確定申告していること、全部事細かに嫌な顔をされるまで話す。彼らは何にも知っちゃいないのである。ちなみにこうした管理職は宴席でぼくに学校講師に来てくれるかと尋ねる。「手弁当で行きますよ」(これは本当だ)と答えるぼくに、実に尊大に「では是非頼む、後で連絡するから」と言う。ほぼ全部のケースで連絡があったことはない。

本一冊書くには、その本を書くためにたくさんの本を購入し、たくさんの人に会い、たくさんの投資をする。薄っぺらな、使い回しの情報の焼き直しのような本を創るのなら(昔はそんなものは本にはならなかったのだが・・・)、ほとんど投資なく儲かるのかも知れないが、少なくとも誠実な先生方は本を出せば出すほど、印税や原稿料ベースで言えば赤字になる。だから還付がある。まあ、そんな感じだろうと思う。

さて、繰り返すが、確定申告をしていたのは、自己防衛だった。次第に厳しくなってくる社会の雰囲気を肌で感じていたので、社会人として雑収入(副業などと言えるようなものじゃない)に伴う税制度上の義務を果たしていることを明らかにしておく必要があると実感していたからだ。北海道は当時兼職届けの提出などを求められることがなかったので、なおさら自己防衛が必要だと思っていた。

リスクマネジメント、である。

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さて、コロナで、教育系フリーランスのみなさんの状況も厳しい。

リスクマネジメントの基本の一つは、収益の出どころの分散ということになるのだと思う。

ぼくの場合は、今、収益はおおよそ四つの箇所になる。学校研修参画による謝金、オンライン対話による謝金、自前の小さな研修会での収入、原稿料や印税など、である。今回コロナで学校研修についての見通しはとても不鮮明になった、また、自前の研修会も開催が難しい社会的な空気になれば一部会場は断念せざるを得まい。そうした中でも収入を確保できる展開をしてあることは、よかった点だなと思う。4−5月のオンライン対話(伴走)はこれまでよりも3割程度受注を増やしている。今は、こうした工夫で、状況の改善を待つことにしようと思っている。

オンラインはzoomやFB,GoogleTwitter、LINE、youtubeなどの力を借りることになる。そうするとこうしたものへの信頼が基本になるわけだが、ぼくはもちろん全面的に信頼しているわけがない。だから、こうしたものに全面的に寄りかかったりしない。テクノロジーへの無条件の信頼は、危機的局面で、自分を谷底に突き落とすことになると、考えている。

古典的なメディアへの安心は絶大だ。社会においてはまだまだ書籍や雑誌、新聞などの古典的なメディアへの信頼が厚いという事実も、その状況がいいと考えているわけでは無論ないが、冷静に考えの中に入れておく必要があると思っている。