アートを旅する 2021年12月初旬

・Gear

天草ショーゴさんの出番ではない日を初めてみた。

そもそも観るのは数年ぶりだったが、細かな演出のバージョンアップ、プロジェクションマッピングの進化、いろんな進展があった。若いパフォーマーの真剣勝負は、ここおrが動くなあ。

・奈良フィル「第九」(やまと郡山城ホール)

ハイドン軍隊は残念ながら退屈。とにかくオケとしての音量が足りないんだ。第九は力演。指揮の長峰大輔さんは超快速を選択した結果、細部はご愛嬌だが、歌心と勢いが出て、これでオケが息を吹き返す。市民合唱団もややフラット気味だが力演だった。。ソリストはさすがの三原剛さん。テノールの田代さんはひどく不調。多分喉を壊していた。残念。

フォーレ四重奏団(トッパンホール)

ドヴォルザークのピアノ四重奏曲2番。ムソルグスキー展覧会の絵。アンコールも三曲。とにかく素晴らしい演奏だった。生涯数本指に入るだろう、ぼくにとっては、これまでの全てのコンサート体験の中での最上のものの一つだった。自立した表現者が卓越した技を持って協同的に創り上げる最上の質のものを聴いた。展覧会の絵は、キワモノ的に捉えられそうだが、実に音響的にも織り込まれた編曲。しかし、この四重奏団だけができる演奏とも感じる。キエフの大門では、涙が出てしまった。

・Goodmorning No.5「異常以上ゴミ未満、又は名もなき君へ」(小劇場B1)

前作にも増して、細部に至るまでの圧倒的なクオリティの高さを、馬鹿馬鹿しいほどの破壊力しかないパフォーマンスと膨大な言葉に刺し込みねじ込む。中村中の曲がまた素晴らしい。ものすごい芝居だった。ストレートなメッセージもある。それを咀嚼する余裕を観劇するぼくらは十分に与えられてはいない。それをどう捉えるか。でも、ぼくは今のところ、この疾走感がいいと感じる。今作も感動してしまった。

・彫刻(りったい)絵本4 おもいでのおくりもの(旭川市彫刻美術館)

ぼくとうららの二人だけ。素晴らしい彫刻があり、コンセプト展示にも力が入っている、そもそも旧偕行社という最高のロケーションなのに、勿体無い。楽しい展示だった。

・札幌交響楽団第九(kitara

指揮 / 広上 淳一 ソプラノ / 砂川 涼子 メゾソプラノ / 谷口 睦美 テノール / 清水 徹太郎 バリトン / 甲斐 栄次郎 合唱 / 札響合唱団

広上さんらしいリズミカルな力感のある良い演奏だった。マスクをして歌う合唱団は非力。ソリストは砂川さんの声、得意ではないのだが、すごい存在感だった。

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