アートを旅する 2022年2月

2月はアートの欠乏が深刻だった。毎年苦しい時期なのだが、これが苦しさに拍車をかけていたのかなと思う。

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シンフォニエッタ静岡第69回定期公演(第14回東京定期公演) 2022年2月18日(金)三鷹市芸術文化センター 風のホール

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知られざるフレンチ系音楽を紹介するという日本ではもうここしかなさそうなニッチなプログラムのプロオケ。編成規模が小さいこともあるが、全般にオケは力感に欠けて非力。管楽器は力演だったが、弦楽セクションの弱さが終始気になる。でも、とにかく滅多に聞けない楽曲の連続で面白い。パンフレットも充実。指揮の中原さんのコラムも面白い。フェルーの交響曲はこれは素晴らしい曲で、演奏にも力が入り、とても良かった。客席は600席で50名くらい。演奏してくれて感謝、と思う。ぼくも信念を持って小さな講座をやり続けようと思った。

・東京シティフィル349回定期演奏会(オペラシティコンサートホール、2月19日)

半田さんが前日突然の不調(コロナだったんだろうな・・・)で、小林沙羅さんに変わるという逼迫した状況での演奏。シンフォニーの独立的なヴォカリーズのみなので対応できたということもあるでしょうが、小林さんに絶大な拍手だ。ヴォーン・ウィリアムズ交響曲は今年は方々で聞けるといいなあ。ぼくはこの曲もっともっとぼんやり田舎臭くてだらっとしてる方が嬉しいのだが、でも藤岡さんの明瞭な指揮ぶりで各セクションの細部がくっきりと見える解釈には惚れ惚れとした。

宮田さんのチェロは力感も繊細も兼ね備えた実力。これはトップ奏者の一人と認識。吉松さんの曲は、長い時間の中で生き残っていくのかどうかはわからないが、どの曲もとても美しい。アンコールは”星めぐりのうた”だった。

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