最近読んだ本から その38

林さんが、先日講座にわざわざきてくださって本をくださった。こうした教育書を読むことが極端に減っているのだが、面白く読んだ。基本的にはリフレーミングの本、なのだが、林さんが教室で「見つけた」言葉だけが丁寧に文脈と共に語られていることが好ましい。つまり、嘘のない自分の言葉で語るということを、嘘ばっかりの学校という場所で丁寧に貫こうと思っている人なんだと思う。

ぼくは、林さんには、北海道時代にこの不思議な一冊の本と出会う形で先に出会っている。

小平さんの本。購入時にバーっと読んだっきりだったが、なんだか丁寧に読みたくなって、大阪の旅行に連れてきた。化学教師になり、家庭科共習の流れの中で先駆的な男性教師になる。ちなみにぼくの本『学校でしなやかに生きるということ』で対談した江口凡太郎さんは北海道で最初の男性家庭科教師である。小平さんの家庭科教師になる文脈は実に自然だ。自分の驚きや気づきに素直な人なんだなと思う。教師のチャレンジは、こんな風に生活とくっついてしなやかだといいなあと思う。

学校でしなやかに生きるということ

上野先生の教室に入ると、本棚に見入ってしまう。今回は、並んでいるこの詩集を見つけ、いかんいかんと思いつつ、休み時間を使って読んでしまった。この詩集は市井の人が鋭い、しかしどこかペーソスに溢れて暖かい視線で世界を見つめながら紡いで行った言葉。誰にも辿り着けない金字塔なんだなと思う。久しぶりに読んで心に沁みました。