4月をボソボソと対話する〜1on1オンライン対話で話していること(5/1朝追記)

 3月ー4月、ひたすら話をして来ました。

 それは、ぼくの現在の生業の一つなのです。この休業期間中は腹を決めて、50名弱の先生と、ひたすら話し続けています。

 本日は、昨年から理科教室にも伴走している深谷さんとの対話。刺激的でした。これで、3−4月のオンライン対話が一区切り。

 このタイミングで、どんな話をしてきたかとか、何を感じているかを緩やかに項目を立てて羅列的にまとめておこうと思います。

 合わせたら全ての網羅的な説明になるということではなく、とりあえず思いつくことを書く、という感じですが、多少は役に立てるかもしれません。

 

 え、1on1オンライン対話の中で話したことを公にすると、対話者が損しませんか? という方もいると思いますが、それははっきり違います。1on1対話をしているみなさんには、ここで文字情報「だけ」でみるものと、実際に二人で話し続ける「場」の中で起こっていることとは、全く違うことを了解いただけると思います。まさにそこに賭けて話し続けているということでもあるのです。また、1on1オンライン対話を鏡にすることで、zoomなどの多人数のオンラインが作りにくいものは、「場」なのだということが、ぼくにもよくわかって来ました。

 

 ぼくはあの震災と原発事故でも変われなかったこの国、教育に、結構傷ついています。今回の大きな流れに期待したい気持ちはあるけれど、多くの希望を賭ける勇気は正直ありません。まあ、それでもきっと少し前進するはずだという淡い期待は失わず立ち続けようと思います。

 

【教師の疲弊】

1 小学校の教員は中高に比べても疲弊の度合いが激しい。

2 この理由は、もちろん学齢が低いということもあるが、学校の判断が県立メインである高校や支援学校はもちろん、中学校に比べても概して遅いということがありそう。

3 もう一つは、昨年来お話ししてきた通り、小学校の先生が子どもとの距離が近すぎる(共依存という言葉を使いたくなるくらいの状況もある)ということがありそう。

4 とりあえず今小学校の教員は、特に大規模校の場合は、学年の先生と話はできているが、進め方ややり方の話ばかりが先行している。

5 まず教職員同士がこの2ヶ月強をどんな思いで過ごしているのか、今どんな心情なのか、感情の持ち寄りをしなくてはいけない状況だと思う。

6 朝令暮改の状況の中で、自分のパフォーマンスを下げないために、プリントづくりなどの先っぽの仕事は、自分内60点以下でやる。プリント処理で時間を取らないことも最初から想定しておく。

7 教職についてまともに学ぶ機会・時間がなかったことを思えば、この期間は、とてもありがたいはずで「も」ある。

8 日々を記録する。記録するときは出来事+感情を書く。あとで振り返ることができるような仕組みを作っておく。

9 小さな仲間を学内に作っていくこと。理不尽な要求や非合理な対応について、仲間と一緒に声を上げること。

 

【学校再開への準備】

1 小学校の大規模校の場合は、同僚と、300時間程度も総時間数が削減になることを想定して、教科、領域、単元の刈り込みについて丁寧に話す必要がある。

2 この問題は、文部科学省の話とは別に、具体的な現場運用の問題としてシミュレーションしておかないと大変になる。

3 そうすると、いわゆる芸術・体育・実学系列の教科の削減も現実的に想定されるだろう・・・。

4 それだけでなく国語算数・・・などの教科についても単元の刈り込みと組み替えは避けられない。例えば、話す聞くの授業は当面できないはず。

5 断続的な休校が続くことも想定すれば、既存のカリキュラムに固執しない。

6 9月入学の問題は、学校で何をどう運用するかの議論とは分けて考えるしかない。

7 この話を学年団で丁寧にしておくために、学年の先生方が感情を持ち寄れる関係を、作っていかねばならない。

8 校内研修は、いかにあきらめるか、手放すか。今必要な研修が、一斉指導研修なら、オンライン活用研修なら、状況に応じてどんどん変える。

9 例えば、今年進める校内研修が、本当に協同学習でいいのか、プログラミング研修でいいのか、自分たちの子どもたちを見つめるところから、よくよく考える。

10  こうしたことは、文部科学省の遅い判断に関係なく、学校で「運用」の問題としてしっかり考えておく。

 

【オンライン・プリントなど・・・家庭】

1 オンラインは、オンデマンドにせよライブにせよ、現状では、「補完」にしかならない。

2 ただし「補完」だからこそ、繋がるところから早々に始めなければならない。グランドで鬼ごっこを全員でスタートするのは授業だけ。学校的なものではない学びは、三三五五、心と体の準備ができたものから「いーれーて!」と言って増えていく。wifi普及とかデバイス普及とかの状況に関係なく進める。

3 YouTubeなどでの動画配信にせよ、zoomでのLive授業にせよ、まず、それらのツールを教職員同士が使う(楽しむ)経験が必須のはず。教職員同士の感情の持ち寄りなどに、zoomなどをまず積極的に使うことの方が、子どもに爪先だって始めることの前に重要のはず。

4 学習のオンライン化が進めば、必然的に学ぶかどうかは、学習者側に判断が委ねられる状況になる。

5 つまりオンライン環境のあるなしの前に、そもそも環境があるからと言っても子どもが参加するとは限らない。全員参加の前提はオンラインの場では無化されている。

6 オンラインの場で重要な鍵を握っているのは保護者。多くの場合、保護者が子どものそばについている。その一点だけでも、それはもう「オンライン授業」ではなく「オンライン学習」とでも仮に呼ぶべきものだ。

7 従来型の授業再現オンラインでは、保護者はすぐに我が子の学習に口を挟んでくる現象が起こる。

8 従来型授業の延長なら保護者を制御することになる。リソースとしての保護者を十分に生かしたい。保護者と共同で学びを止めない工夫をしていく。

9 プリント学習でもオンライン学習でも、保護者との共同性は欠かせないポイントになる。

10  優れたパフォーマンス課題を提示し、子どもたちが家庭で探究し続けられるように支えたい。

11 学習内容(コンテンツ)そのものをオンラインで補完しようとするのではなく、家庭で学び続けられる、家庭の学びを支えていく仕組みを考える。そうすると、この点はプリント学習でもオンライン学習でも本質的に違いはなさそうだ。

11 多くの学級が年度始めのスタートさえ切れていないことを考えると、子どもたちとの関係性づくりに注力しがちだ。が、探究学習に関していえば、例えば「見たこと作文」のように、子どもたちが学校の外(含 家庭)で小さなところから転がし始められる仕組みが必要だ。

12 ポイントは、出てきたものに対しての、教師のキュレーションとフィードバック、肯定的な評価だろう。

13 子どもも保護者も学校的な授業時間割を家庭に持ち込まれることを望んでいないふしがある。例えば、オンラインで行う「朝の会・帰りの会」の問題。規則正しく、生活のリズムを創ることの大切さは認めるが、それは学校の生活モデルを、家庭に嵌め込むということでいいのだろうか?

14 オンラインもプリント学習にしても、現場ではほぼ、学習者からその学習がヒットしているのかどうかをフィードバックしてもらうシステムが想定されていない。

15 特にオンラインについては、オンラインの延長で授業そのものについてフィードバックをしてもらっても、子どもは画面の前の人にダメ出しなんてできず、当然忖度して「よかったです」「うれしかったです」などと発言する。

16 「授業感想文」のような、授業の場やパーソナリティそのものと切り離した冷静なフィードバックを得られる仕組みづくりが必要になる。

17 オンライン発信でこぼれてしまう子を丁寧に確認し、複数の教員で情報共有する。そうした子への対応をどうするのか、地方公共団体へ積極的に発信する。

18 この間の家庭引きこもりで、困難な状況になっていることが予想される子どもたちへ、電話対応などでアクセスすると当時に、学校全体の話し合いで共有する。

19 厳しい条件にある子どもがいる教室の担任を孤立させない。

20  オンラインが進んでいるところとそうでないところは、マダラ模様。実はプリント配布にも様々な知恵があり、ここの工夫も、内容も含めて、マダラ模様。

21 手紙・葉書など古典的な手法を見直したい。

 

【休校明けに向けて】

1 一人ひとりの子どもと対話(面談)するところからスタートしたい。

2 休校あけの学校でも子どもたちがまず互いの感情を丁寧に持ち寄れる場づくりから始めたい。いきなり新出漢字をねじ込んだりしない・・・。またプリント回収と答え合わせから子どもの日常をスタートしない。

3 休校明け以降は、学校がクラスターの中心になるだろう。休校・開校は学校や今よりももっと小さな地域単位でマダラ模様に広がる。

4 カリキュラムのミニチュア化では乗り切れない。文部科学省が抜本的な解決に踏み切れるかを注視したい。文部科学省の最新情報を手に入れる環境を担保しておく。

5 三密授業は、現実的には学校ではやり切れないので、運用において、なし崩しになる学校もあるだろう。その結果クラスター化も避けられない。

6 三密対応も、教師によって違いが出てくる。感情の持ち寄りからスタートし、教職員同士で考え方や現状の受け止め方を確認し合っていけないと、学校内部に大きな分断と対立が生まれるだろう。

7 zoomなどでの教職員同士の交流も、丁寧に情報開示する仕掛けなく進めると、分断を生む可能性がある。

8 先端的な対策を進めているように見える学校も、校長のトップダウンがかっこよく見えているだけの場合もある。また内実を伴うところはほぼ例外なくまず教職員同士の関係の中で始めてから、子どもへというプロセスを丁寧に辿っている。

9 登校が再開したら、子どもたちを丁寧に褒めたい。家庭学習の踏ん張りも認めたい。今は血の通わないラベル確認的な評価を教師が一所懸命やるフェイズじゃない。

 

【追記】9月入学の問題については、以前から関心を持っている。これまで国の中でしっかり議論されてこなかったことが話題に上ることについては、肯定的だ。もっとも、この9月にスタートするのは、めちゃくちゃだ。知事会から出てきた辺り、教師を一時帰休させて賃金カットしたいのかと勘繰ったりもしている。ただ、右翼的に、桜の咲く時期がとか、外国人留学生のために合わせるのか、とかいった馬鹿げた議論にも、左翼的に、グローバリズムに飲み込まれるのか、みたいな議論にも、組みしたくない。

日本はもう貧しい国なのだ。一人当たりのGDP比で生活水準を直視すれば、もう先進国でさえない。留学は、きてもらうんじゃなくて、こっちからいって学ばなきゃならない状況なのだ。また、この経済水準で、偉そうにグローバリズムを選択する立場にないのだ。明治維新や敗戦直後のような圧倒的な後進性をみんなが認識しなくてはなるまい。

【再追記】(5/1朝)

学年ごとの「栽培学習」などをどう捉えるのかを話し合う。こういうところでちゃんと立ち止まって対話することで、学校がこれまで背負ってきた問題がとてもクリアに見えてくる、と思う。1年から6年までの対応をみんなで議論できれば、実に充実した校内研修になる。

オンラインで行う「朝の会・帰りの会」の問題。規則正しく、生活のリズムを創ることの大切さは認めるが、それは学校の生活モデルを、家庭に嵌め込むということなのか?

オンデマンド配信もそう。学習者からのフィードバックなく突進する問題。教師の技と撮影編集の技と配信の技とは本来それぞれのプロ領域の問題であることに気づいているのかという問題。万人に向けるのか特定少数に向けるのかの問題、それに付随して撮影中のハプニングに入り込む人間味の問題、つまり「場」の問題。

風越学園(甲斐崎さん)の100マストライがいい。協同で作る。地域を考える。保護者を考える。このトライの構造・仕掛けから生まれる力をどう捉えるか。教材づくりの発想はコンテンツを埋める過程から一歩飛び出して、その教材自体に目を向けたいな。

事実上、上から命令されてやらされていることを、どう楽しくリフレーミングできるかも大切か。

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2020年度の予定です(5/18変更)

2020年度の日程です。まあ、5月以降も見通しなしですね。 苦笑

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suponjinokokoro.hatenadiary.jp

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【4月】

4月4日土曜日  名寄連続講座1/6「学級通信の書き方」

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4月5日日曜日  札幌連続講座1/6「学級通信の書き方」

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4月10日金曜日 都内練馬区立大泉南小学校(中止)

4月15日水曜日 江戸川区鹿骨東小学校(5/12に延期)

4月17日金曜日 大阪府羽曳野市立駒ヶ谷小学校(7/14に仮移動)

4月19日日曜日 石川一郎×石川晋 〜2人の伴走者が語る令和の教育〜(延期します、日時は未定)

4月22日水曜日 海老名市立海老名中学校(中止)

4月23日木曜日 空き(関東圏)         

4月24日金曜日 海老名市立中新田小学校(6/23に仮移動)

 

4月30日木曜日 都内多摩市立小学校(中止)

【5月】

5月1日金曜日  神奈川平塚市教育研究所(中止)

5月7日木曜日  都内練馬区立大泉南小学校(7月15日に延期)

5月8日金曜日  小金井市小金井第三小学校(オンライン)

5月12日火曜日 江戸川区鹿骨東小学校(オンライン)

5月13日水曜日 都内かえつ有明中高等学校(中止)

5月14日木曜日 都内江戸川区立大杉東小学校(中止)

         市川連続講座1/6「学級通信の書き方」(中止)

5月15日金曜日 川崎市立下小田中小学校(中止)

5月17日日曜日 理事長訪問静岡(延期します)

         名寄連続講座2/6「教室読み聞かせの基本」(中止)

5月18日月曜日 空き 北海道

5月19日火曜日 北海道・江別市大麻東小学校(中止)

5月20日水曜日 都内八王子市立元木小学校(日程再調整・延期)

         甲府連続講座1/4「学級づくりの基礎基本」(中止)

5月21日木曜日 都内清瀬市清瀬第四中学校(中止)

5月22日金曜日 岐阜県岐阜市立中学校(中止)

         名古屋連続講座1/7「学級づくりの基礎基本」(中止)

5月23日土曜日 金沢連続講座1/3「教室読み聞かせの基礎基本」(中止)

5月24日日曜日 伊豆大島連続講座1/2(中止)

5月25日月曜日 大島町立さくら小学校(延期・再検討)

5月26日火曜日 徳島市立新町小学校(中止)

         徳島連続講座1/4「学級づくりの基礎基本」(中止)

5月27日水曜日 大阪府岸和田市立朝陽小学校(中止)

         岸和田連続講座1/4「学級づくりの基礎基本」(中止)

5月28日木曜日 大阪府岸和田市立浜小学校(中止)

5月29日金曜日 大阪府岸和田市立大宮小学校(中止)

     大阪連続講座2/8「90年代からの教育状況を民間研の動向から考える(中止) 

【6月】

6月3日水曜日  名古屋女子中高等学校(延期)

         名古屋連続講座2/7「教室読み聞かせの基本」(中止)

6月4日木曜日  大阪府門真市立二島小学校(中止)

         尼崎連続講座2/6「教室読み聞かせの基本」(中止)

6月5日金曜日  横浜市立小学校(中止)

6月10日水曜日 都内練馬区立大泉南小学校

         横浜連続講座1/6「学級通信の書き方」

4月22日→5月13日→6月10日に変更です。

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6月11日木曜日 横浜市立幸ヶ谷小学校

6月12日金曜日 都内私立小学校(中止)

         国立連続講座3/12「教室・授業の記録を書くということ」 

6月15日月曜日 多摩市立小学校

6月16日火曜日 国分寺市内小学校(中止)

6月17日水曜日 都内清瀬市清瀬第四中学校

6月18日木曜日 都内江戸川区立大杉東小学校(中止)

6月19日金曜日 大阪松原市立松原東小学校

         大阪柏原連続講座1/6「学級通信の書き方」

(4/16の予定でしたが、6/19に変更です)。

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6月20日土曜日 理事長訪問高松(中止)

6月21日日曜日 フォーラムA研修会(検討中)

6月22日月曜日 小金井市立前原小学校

         大宮連続講座2/6「教室読み聞かせの基本」

6月23日火曜日 神奈川県海老名市立小学校交渉中

6月24日水曜日 神奈川県海老名市立海老名中学校

         横浜連続講座2/6「教室読み聞かせの基本」

6月25日木曜日    松原市立小学校

         大阪柏原連続講座2/6「教室読み聞かせの基本」

6月26日金曜日 大阪市立豊里南小学校(中止)

         大阪連続講座3/8「教室・授業の記録を書くということ」

6月27日土曜日 教室音読指導を究める会in神戸元町

【7月】

7月1日水曜日  大阪府松原市立松原第四中学校

         大阪連続講座4/8「校内研修を活性化する」

7月2日木曜日  大阪府四條畷学園小学校

         尼崎連続講座1/6「学級通信の書き方」

(4/18との予定でしたが、7/2に変更します。場所も変更ですので、ご確認ください)

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7月3日金曜日  徳島県徳島市立新町小学校

         徳島連続講座2/4「教室読み聞かせの基本」

7月4日土曜日  札幌公務員受験学院

         札幌連続講座2/6「教室読み聞かせの基本」

7月8日水曜日  江戸川区鹿骨東小学校

         甲府連続講座2/4「教室読み聞かせの基本」

7月9日木曜日  都内江戸川区立大杉東小学校(中止)

         市川連続講座2/6「教室読み聞かせの基本」

7月10日金曜日 川崎市立下小田中小学校

         国立連続講座4/12「もう一度、わたしたちの『撮る教室』の話をしよう

7月11日土曜日 水戸連続講座1&2/4「学級づくりの基礎基本」「教室読み聞かせの基本」

変更になっています。4/29となっていますが、この日に変更し、4時間講座です。

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7月12日日曜日 伊豆大島連続講座2/2

7月13日月曜日 大島町立さくら小学校

7月14日火曜日 羽曳野市立駒ヶ谷小学校

7月15日水曜日 東京都練馬区立大泉南小学校

7月16日木曜日 小金井市立小金井第三小学校

7月17日金曜日 東京家政学院大学

         大宮連続講座1/6「学級通信の書き方」

(当初日程を変更し、この日の開催とします)

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7月20日月曜日 横浜市立永田台小学校

7月25日水曜日 仙台連続講座1&2/6「学級通信の書き方」「教室読み聞かせの基本」(4/29からこの日程に変更します。4時間講座です)。

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7月26日日曜日 授業づくりネットワーク軽井沢

7月27日月曜日 国立連続講座2/12「90年代からの教育状況を民間研の動向から考える」

7月29日水曜日    名古屋女子中高等学校

                                  岸和田連続講座2/4「教室読み聞かせの基本」

7月30日木曜日 岸和田市立朝陽、大宮、浜小学校研修会

7月31日金曜日 大阪連続講座1/8「個別最適化の迷宮」

(4/17の予定でしたが、7/31に変更します)

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8月2日日曜日  道徳のチカラ(中止)

8月3日月曜日  三重県川越町立川越南小学校

8月8日土曜日  札幌公務員受験学院

         札幌連続講座3/6「国語授業づくりの基礎基本」

8月13日木曜日 博多連続講座1/2「学級づくりの基礎基本」

8月14日金曜日 鹿児島理事長訪問

8月15日土曜日 鹿児島・霧島プロジェクト

8月16日日曜日 鹿児島・霧島プロジェクト

8月21日金曜日 広島市立小学校(午後)

8月22日土曜日 理事長訪問山口・防府

8月23日日曜日 理事長訪問広島

         新大阪特別講座1「対談 木脇嶺さんと」

8月24日月曜日 空き(午前、大阪・奈良限定)

         大阪府松原市立松原東小学校(午後)

         尼崎連続講座3/6「国語授業づくりの基礎基本」

8月25日火曜日    名古屋市大須小学校

         名古屋連続講座3/7「国語授業づくりの基礎基本」

8月26日水曜日 平塚市立金田小学校(午後)

         横浜連続講座3/6「国語授業づくりの基礎基本」

8月27日木曜日 空き(関東圏)

         国立連続講座5/12「SNSと教師・学校」        

8月28日金曜日 小平市立小平第五小学校

8月30日日曜日 名寄連続講座3/6「国語授業づくりの基礎基本」

【9月】

9月2日水曜日  神奈川県海老名市立海老名中学校

9月3日木曜日  都内清瀬市清瀬第四中学校

          国立連続講座1/12「個別最適化の迷宮」

(4月10日 → 4/30 → 9/3に変更になっています)

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9月4日金曜日  小金井市小金井第三小学校

         大宮連続講座3/6「国語授業づくりの基礎基本」

9月7日月曜日  札幌連続講座4/6「教室づくりの基礎基本」

9月8日火曜日  仙台連続講座3/6「国語授業づくりの基礎基本」

9月9日水曜日  仙台・認知症介護研修指導者講習

9月10日木曜日 大阪府箕面市立第二中学校

9月11日金曜日 大阪府松原市立松原第四中学校

         大阪柏原連続講座3/6「国語授業づくりの基礎基本」

9月12日土曜日 大阪・授業づくりネットワーク理事会

9月13日日曜日 授業づくりネットワーク京都集会

9月14日月曜日 江戸川区鹿骨東小学校

9月15日火曜日 多摩市立小学校

9月16日水曜日 都内練馬区立大泉南小学校

9月17日木曜日 大阪府門真市立二島小学校

         大阪連続講座5/8「自分の実践をリフレクションする方法」

9月18日金曜日 大阪府高槻市立小学校

9月19日土曜日 博多連続講座2/2「授業づくりの基礎基本」

         広島授業づくり研究会合宿

9月20日日曜日 広島授業づくり研究会合宿

         岡山連続講座1/2「学級づくりの基礎基本」

9月23日水曜日 都内かえつ有明中高等学校

9月24日木曜日 都内江戸川区立大杉東小学校(中止)

         市川連続講座3/6「国語授業づくりの基礎基本」

9月25日金曜日 横浜市立山田小学校

         国立連続講座6/12「働き方改革の陥穽」

9月26日土曜日 上越教育大学

9月27日日曜日 金沢連続講座2/3「国語授業づくりの基礎基本」

9月28日月曜日 江戸川区鹿骨東小学校

9月29日火曜日 名古屋連続講座4/7「自分の実践をリフレクションする方法」

【10月】

10月1日木曜日 都内清瀬市清瀬第四中学校

10月2日金曜日 川崎市立下小田中小学校

         大宮連続講座4/6「教室づくりの基礎基本」

10月3日土曜日 水戸連続講座3/4「国語授業づくりの基礎基本」

10月5日月曜日 国分寺市内小学校

10月6日火曜日 豊島区立中学校

10月7日水曜日 大阪市立豊里南小学校

         尼崎連続講座4/6「教室づくりの基礎基本」

10月8日木曜日 大阪府松原市立小学校

         大阪柏原連続講座3/4「教室づくりの基礎基本」

10月9日金曜日 大阪府羽曳野市立駒ヶ谷小学校

         新大阪特別講座2「対談 井谷信彦さんと」

10月10日土曜日教室音読指導を究める会inエル大阪

10月11日日曜日授業づくりネットワーク岡山

10月13日火曜日名寄連続講座4/6「教室づくりの基礎基本」

10月14日水曜日都内私立小学校

         横浜連続講座4/6「教室づくりの基礎基本」

10月15日木曜日都内江戸川区立大杉東小学校(中止)

10月16日金曜日徳島県徳島市立新町小学校

         徳島連続講座3/4「教室づくりの基礎基本」

10月17日土曜日理事長訪問徳島

10月21日水曜日東京都多摩市立大松台小学校

10月22日木曜日小金井市立小金井第三小学校

10月23日金曜日北海道広尾町立広尾小学校

         理事長訪問広尾

10月24日土曜日理事長訪問帯広        

10月25日日曜日授業づくりネットワーク札幌

10月26日月曜日小金井市立前原小学校

10月27日火曜日江戸川区鹿骨東小学校

         国立連続講座7/12「学校に人を呼び続けるということ」

10月28日水曜日横浜市立小学校

10月29日木曜日都内小金井市立緑中学校

10月30日金曜日山梨県甲斐市立双葉中学校

         甲府連続講座3/4「授業づくりの基礎基本」

【11月】

11月2日月曜日 多摩市小学校

         国立連続講座8/12「学級崩壊」

11月4日水曜日 都内練馬区立大泉南小学校

11月5日木曜日 小平市小学校交渉中

11月6日金曜日 大阪府松原市立松原東小学校

         大阪連続講座6/8「もう一度、わたしたちの『撮る教室』の話をしよう

11月11日水曜日大阪府岸和田市立朝陽小学校

         岸和田連続講座3/4「国語授業づくりの基礎基本」

11月12日木曜日大阪府岸和田市立大宮小学校

11月13日金曜日大阪府岸和田市立浜小学校

11月14日土曜日教育と国語を考える会(多賀一郎さんと一緒に)

11月15日日曜日理事長訪問南紀太地

11月16日月曜日江戸川区鹿骨東小学校

         市川連続講座4/6「教室づくりの基礎基本」

11月17日火曜日空き(関東)

11月18日水曜日都内かえつ有明中高等学校

11月19日木曜日都内江戸川区立大杉東小学校(中止)

        

11月20日金曜日横浜市立幸ヶ谷小学校

11月22日日曜日防府連続講座1/2「学級づくりの基礎基本」

         岡山連続講座2/2「国語授業づくりの基礎基本」

11月23日月曜日京都女子大学

11月24日火曜日高槻市立清水小学校

11月25日水曜日大阪府門真市立二島小学校

11月26日木曜日岐阜県岐阜市立中学校

         名古屋連続講座5/7「全国の教室を見ながら考えていること」

11月27日金曜日横浜市立小学校

【12月】

12月2日水曜日 仙台・認知症介護研修指導者講習

12月3日木曜日 大阪私立四條畷学園小学校

         尼崎連続講座5/6「自分の実践をリフレクションする方法」 

12月4日金曜日 新大阪特別講座4「対談 吉永かおりさんと」

12月8日火曜日 多摩市立小学校

12月9日水曜日 小金井市立前原小学校

         横浜連続講座5/6「自分の実践をリフレクションする方法」

12月10日木曜日江戸川区鹿骨東小学校

         市川連続講座5/6「自分の実践をリフレクションする方法」

12月11日金曜日神奈川県海老名市立海老名中学校

         大宮連続講座5/6「自分の実践をリフレクションする方法」

12月13日日曜日名寄連続講座5/6「自分の実践をリフレクションする方法」

12月15日火曜日札幌連続講座5/6「自分の実践をリフレクションする方法」

12月16日水曜日都内武蔵村山市立雷塚小学校

12月17日木曜日大阪府高槻市立清水小学校

         大阪柏原連続講座5/6「自分の実践をリフクレションする方法」

12月18日金曜日空き

         国立連続講座9/12「もう一度、わたしたちの『撮る教室』の話をしよう」

12月19日土曜日授業づくりネットワーク郡山

         仙台連続講座4/6「教室づくりの基礎基本」

【1月】

1月6日水曜日  空き

1月7日木曜日  空き

1月8日金曜日  空き

1月9日土曜日  北海道・札幌学院大学

1月10日日曜日 仙台連続講座5/6「自分の実践をリフクションする方法」

1月13日水曜日 名古屋連続講座6/7「全国の教室を見ながら考えていること」

1月14日木曜日 名古屋市大須小学校

1月15日金曜日 大阪府松原市立松原東小学校

1月16日土曜日 都内武蔵村山市立雷塚小学校

1月17日日曜日 甲府連続講座4/4「自分の実践を高めるポイント」

1月19日火曜日 都内江戸川区立大杉東小学校(中止)

         市川連続講座6/6「Q&A」

1月20日水曜日 八王子市立小学校交渉中

         国立連続講座10/12「リフレクションという病」

1月21日木曜日 都内小金井市立緑中学校

1月27日水曜日 大阪府岸和田市立朝陽小学校

         岸和田連続講座4/4「自分の実践をリフレクションする方法」

1月28日木曜日 大阪府岸和田市立浜小学校

1月29日金曜日 大阪府岸和田市立大宮小学校

         大阪連続講座7/8「全国の教室を見ながら考えていること」

【2月】

2月3日水曜日  海老名市立海老名中学校

2月4日木曜日  大阪府松原市立小学校

         大阪柏原連続講座6/6「Q&A」

2月5日金曜日  大阪府門真市立二島小学校

         尼崎連続講座6/6「Q&A」

2月8日月曜日  空き(北海道)

2月9日火曜日  北海道・江別市大麻東小学校

2月10日水曜日 川崎市立下小田中小学校

         国立連続講座11/12「全国の教室を見ながら考えていること」

2月12日金曜日 小金井市立小金井第三小学校

2月13日土曜日 札幌連続講座6/6「Q&A」

2月17日水曜日 徳島県徳島市立新町小学校

         徳島連続講座4/4「自分の実践をリフレクションする方法」

2月18日木曜日 大阪私立四條畷学園小学校

2月19日金曜日 大阪府羽曳野市立駒ヶ谷小学校

         大阪連続講座8/8「もう一度、わたしたちの『撮る教室』の話をしよう」

2月20日土曜日 防府連続講座2/2「国語授業づくりの基礎基本」

2月21日日曜日 横浜連続講座6/6「学校とゆるやかに伴走するということ、のその後を話そう

2月22日月曜日 都内多摩市小学校

          水戸連続講座4/4「自分の実践をリフレクションする方法」

2月24日水曜日 小金井市立小学校

2月25日木曜日 北海道小学校

2月26日金曜日 岐阜県岐阜市立長森中学校

          名古屋連続講座7/7「Q&A」

2月27日土曜日 金沢連続講座3/3「全国の教室を見ながら考えていること」

2月28日日曜日 名寄連続講座6/6「Q&A」

【3月】

3月4日木曜日  都内私立小学校

3月5日金曜日  東京都小金井市立小金井第三小学校

3月10日水曜日 東京都多摩市立大松台小学校

3月11日木曜日 国分寺市内小学校

3月12日金曜日 大宮連続講座6/6「Q&A」

3月13日土曜日 仙台連続講座6/6「Q&A」

3月19日金曜日 国立連続講座12/12「Q&A」

3月21日日曜日 新大阪特別講座4「対談 武田緑さん、松永悟郎さんと」

3月についてはまだ空きがあります。

 

 

境界線が不明確だからこそ、立つ場所をクリアにする必要があるんだな・・・

授業づくりネットワークの次号は、「学級崩壊」と向き合う号である。編集部から少しずつ依頼を進めている。前回の校内研修号もそうだったが、出来るだけ「リアル」に近いものを書くというアプローチは、依頼を受けた側にとって極めてハードルが高い。いろんな条件をかいくぐらないと掲載にたどり着けない。たくさんの方からお断りをいただくことを覚悟しながら丁寧に依頼をするが、依頼を受けた方はことごとく悩むわけであり、本当に申し訳ない。依頼する私たちがこれほど心苦しいのだから、依頼を受ける方の逡巡は想像するに余りある。

 

60年代、70年代の教育実践書の圧倒的な濃密さに惹かれる人は多い。それは本当に魅力的だ。だが、あの質の教育実践論文を積み重ねていくことは、現代では至難の技だと言える。圧倒的な実践家(目指してはいけないレベルのスーパー実践家)というのは、「おおむね」圧倒的な保護者・子どもの信頼(つまり、全ての保護者・子どもと信頼関係を築けるわけはないから、不満が出ないほどの圧倒的な最大公約数という感じかな)の上に実践論文を書き残してきたのだと、改めて思う。もう絶望的に時代が変わってしまったのだな。しかも、そのようなことで書けてもなお、今度は多くの識者が指摘してきた通り、教育実践論文の自分語り性の問題を飛び出すのは難しい。それでも記録するということに、どれほどの意味があるのだろう(いや、もちろんぼくはあると思っているんだ)。

 

塩崎義明さんが、FB上で、今の学校の教員が、条件設定そのものは疑わずに、できる限りの授業保障(ここは、塩崎さんと少し認識を違えているかも知れないが、ぼくはこの状況は授業保障という名の学校的活動の延命だろうと思っている)をする様を、「ステイホーム学習」と名付けている(笑)。塩崎さんのこうした揶揄とペーソスと暖かな眼差しとのちょうど真ん中くらいの名付けは、すごい。これは川柳なんだな、と思う。塩崎さんは市井の感覚を失わない人ってことなのだな。

 

オンライン学習の話を少しだけ書くと。在宅になっている娘は、お父さんと一緒に一日の生活表を手書きする。自転車に乗るとか、勉強するとか、本を読むとか書いてあるが、実際にはその通りには全く生活しない。しかし、書かれていることについては、一日の中のどこかでやりたがる。これは「流動的な一人学び」である。翻って、学校がリモートコントロールで在宅の子どもの学習を日課的に縛ることにはどんな意味があるのだろう(それでいいのか)と熟考してしまう。娘は昨日エゾサンショウウオを取ってきて、今度はサンショウウオと娘(とぼく)の日課表を作り、先の日課表の横に貼った。二枚の日課表を組み合わせながら生活する(どうやってするんだよ)という。そう言っている矢先に、今度は家猫(名前:らんちゅう)が糞尿を撒き散らす事件が起こる。娘は、したたかに叱られた猫をしばらくかわいそうだと言い続けた後、テーブルに向かって二時間ほどA4判6枚の作文を書き上げた。読ませてもらうと、らんちゅうを語り手にしたこの日の顛末を書き綴った物語であった。吾輩は猫である、だ。日課表には作文とはどこにも書いていないが、学び(遊び、かも)は不意に降り注いでくる。時間割は、時として降り注いでくる学びを遮断するのだろうと実感する。

 

1on1のオンライン対話をしているぼくの活動を見て、ぼくがオンラインに長けた人と認識している人が少なからずいることがわかった。ぼくの活動は、まだ感覚的にしか説明できないが、zoom的なものに絡めとられない近接領域をウロウロするという選択だ。zoomの場にある相互のルール設定とぼくの1on1対話に内在するルール(認知されている非認知であるに関係なく内在しているルール)とは、はっきり違っている。それは、つまり「場が違う」ということだと思う。zoomのすごい使い方は、誰か別な人に訊いてください。

 

かつての同僚が、小規模校での大枚の学級通信を送ってくれた。手書き通信でとても好きな通信である。若い頃手書きにこだわったぼくを、たしなめる研究仲間はたくさんいた。当時は、手書き(初期はガリ切り)かワープロ(パソコン)打ちかの二選択だった。しかし、今や手書きのもの自体を普通にデータ化できる状況の中で、境界線は限りなく曖昧である。曖昧であるが故に、一層どれを取るかによって明確なメッセージ性を帯びていくということがあるのだなと思う。彼女の手書き通信、教室の匂いと彼女の語りとが立ち上ってくるようである。その匂いをかげない人、その語りを感じ取れない人、がいても仕方ないが、ぼくは歳を取ったけれどまだ感じ取れる。彼女の教室の子どもだったらしあわせだな、と思う。

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例の「ゆとり教育」へ舵を切る際の国民への強いメッセージは、「土曜日休校」だった。始めは週一日、やがて週二日と、ステップを踏んで土曜日休校に向かっていく過程は、学校がいろんなことを手放すという明確なメッセージにはなっていた。もっとも、この出来るだけハレーションを起こさないように少しずつというのは、実に日本的だった。そのアプローチがインパクトを弱めてしまったフシもあったように思う。
さて、まあ、九月入学は、最初は五月、次いで七月、なんて風にはいかないわけよ 笑

 

今は、「夕暮れ」なのか

県外から先生をお呼びすると、差別や攻撃を受ける可能性もある、お呼びしない方がいいと判断しました、と。呼ぶことで学校にクレーム電話が来たり、SNSで炎上したり、そういう可能性だって、もう容易に想像できる。

苦渋の決断をされた先生の心中を思うと、言葉もない。落ち着いたら、真っ先に駆けつけようと心に誓う。

シミュレーションしたことはある。また、ひたひたとそのような国になってきたという感覚も持っていたつもりだ。しかし、それでも、人生でこういう日が本当にあるとは思っていなかった。圧倒的な恐怖と危機感。

水晶の夜が、そこまで来ている。今は夕暮れ。

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あれは、ぼくが教室で行って来た「協同学習」とはどうも違うものだ・・・

zoomのブレイクアウトルームで、ずうっと顔を突き合わせて逃げ場なく話しさせられる苦しみを感じたことのある人は、ぼくだけなんだろうか 笑 あれは、教室で行って来たぼくの「協同学習」とは、少なくとも似て非なるものである。
zoomで、教室で行って来た授業としての協同学習を再現進化させようというのは、どうも根本的に発想が違ってるんじゃないのか、と言わざるを得ない。

ぼくの教室の協同学習では、上手にサボってる子がいっぱいいた。教室の中ではサボる子も取り組む子も、授業内容・課題やその子の置かれている文脈やそういうものによって、都度入れ替わった。ぼくはそもそも授業というのはそういうものなんじゃないのか、と思っていた。

協同学習が、ある意味規律訓練型授業以上に権力でひたひたと縛り上げる環境調整型権力であるということを一度もきちんと考えたことのない人が、テクノロジーで自由自在に学び手をドライブできることに快哉をあげる気持ち悪さについて、ちゃんとここに書き残しておこう。

(追記)FBに何気なく書いたら、たくさんコメントがつきまして、ちょっとびっくりしました。コメント欄に返信の形で追記したのですが、そちらは埋もれてしまって読まずにコメントをつける方がたくさんいらっしゃるようですので(当たり前ですね)、コメントをこの下に追記しておきます。

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えらくコメントがついてびっくりしました・・・。
まとめて返信します。コメントを拝読して、だから自由に出ていいんだよというPAでいうところのチャレンジバイチョイス的オプションを明示すればいいという解決策を提示する方が一定数いるということがわかりました。
でも、ぼくは、中2病みたいな言い方になりますけど、「あんた、出ても出なくてもいいんだからね」と言われたら悲しい。そして、そういう感情と向き合わない先生のことは嫌いです。
オンラインでの学習において、そもそもこれまでのように生徒が全員がくるということを想定しているからそういう発想になる。オンラインが一定程度影響力を持つようになれば、受けるかどうかそのものが学び手の判断に委ねられることに気づくはず。それはコロナの暫定お試し期間にはっきり見えて来たはず。これまでの教室が、協同学習であっても、先生の権力性みたいなものを背景にしているのだ、ということがあらわになってくる実態に、教師自身がどのくらい自覚的かってことだと思います。

 

 

学校・学級・個人伴走をご希望・予定のみなさんへ

コロナ感染に伴って、様々な予定変更が続いています。

5月以降の学校・学級・個人伴走をご希望・予定のみなさんへ、ぼくの基本的な考えをお伝えしておいた方がいいのかな、と今日各地の先生とメッセージなどでやりとりをして感じましたので、これから書いていきます。どうぞ読んだ上で、連絡の必要などをお感じの場合は、遠慮なくしてください。

 

suponjinokokoro.hatenadiary.jp

①今日連絡をした研修担当の方とやりとりをしていて、5月以降の予定については、学校側・校長側としては、私が予定通り訪問するということならそれを尊重したいと考えているケースもあることがわかりました。

②なるほどなあ、と思いました。例えば5月連休明けに学校再開が難しくても、職員のみによる研修を進めるということですね。そのようにして、私の研修に期待を掛けてくださる事について、本当にありがたい事だと改めて感じました。

③ただ、私のようなフリーランスの研修担当者に対して、私の立場や状況も考慮しているために、断りにくいというような場合もあるのかも知れない、とも感じました。

④私の学校伴走は、基本的には子どもたちの学びの様子をよく見(必要に応じて最接近しますし、子供に話しかける事もありますし、ノートなどを見せていただく事もあります)、また実際に教室で音読や協同学習・演劇的手法ベースの授業を子どもたちと一緒にし、放課後の職員研修もワークショップ・対話・ファシリテーションベースで密接して行います。三密が基本なのです。

⑤また、みなさん私のそうした方法や特質をご理解いただいて、それが主体的・対話的で深い学びを求める現在の学校の状況にもマッチするという事でお声がけいただいているものと考えています。

⑥私を学校に呼ぶためにフロントに立つ先生が本当にいろんなことを考えてくださり、エネルギーを使ってくださっています。それで伴走が実現しています。ですから、私の来る予定になっている研修を是非実現したいとみなさん強く願ってくださっています。その思いを受け止めて、私も引き続き精一杯お手伝いしたいと思っています。

⑦そのことは当然として、しかし予想だにしない状況なわけですから、本当に私を呼ぶことが今必要かどうか、適切なタイミングかどうか、自分たちが願っているものが実現できるかどうか、といった点を今一度校内で検討していただいて、判断していただけたらと思います。どうでしょうか?

⑧オンラインでの研修の実現なども当然念頭においているものと思います。そのような形で私の協同的な学習を学ぶことはある程度できます。ただ、そこでの研修が、三密禁止の現下、仮に速やかに学校再開してもなお、子どもたちの学びに寄与するものになるのかどうか、今、学校で考えなければならない授業のスタイルはそれなのかどうか、しっかり考えていただけると嬉しいです。どうでしょうか?

⑨学習指導要領の本格実施(と、それに伴うアクティブラーニング)や、予定していた校内研修、そもそも学年ごと・教科ごとのカリキュラムは、本当に当初のままで実現可能なのかどうか、しっかり考えていただけると嬉しいです。どうでしょうか?

⑩その結果として、私を今呼ぶことが、学校の優先順位に合わなかったり、私を呼んでも願いが十分に実現できる状況でなかったりするという結論になることは、十分にあり得ます。私はもちろん仕事がなくなることで、経済的な損失を受けますが、そうしたことのためのご配慮は全く必要ではありません。学校のために良い仕事ができるという条件で真剣に働きたいということが私にとって全てに優先するのです。ですから、遠慮なくあきらめたり、先送りしたりしていただきたいと思っています。

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どうぞみなさん、上記の内容を十分に吟味いただいて、必要であればご連絡ください。

 

それでも「花は咲く」

震災後のNHKの「花は咲く」キャンペーンが嫌いだった(ちなみにオリンピックの「パプリカ」キャンペーンは「大」嫌いだ)。

だが、岩井の新作を見終わったばかりだからか、突哨山に咲き始めたカタクリを昨日見ながら、あのセンチメンタルで黙想的な「花は咲く」のアプローチは、それしかなかったってことでもあるのかと、なんとなく思う。

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30年通い続けて来たが、4月の13日に、もうそこかしこにカタクリの花が咲き始める光景を見るのは初めてだった。半月も早くに咲き始めた花だが、それでもやっぱり「花は咲く」のだとも思い知る。


花は咲くプロジェクト/花は咲く(ミュージックビデオダイジェスト)

 

今日は、晴れた寒い一日。猫は家の中で一番暖かい場所を見つける。

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優先順位を決めないと、さ

ようやくみんな未履修の回復ができないことに気づき始めたか。先日のブログにもメモを残した通り。数ヶ月の未履修を残り時間で回復できるのなら、そもそもの設計が間違ってるのですよ 失笑

 

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1on1のオンライン対話の中では繰り返し、未履修の回復は無理筋ということ、新学習指導要領の本格実施も無理ということ、連休明けの学校再開なんて無理だということを言い続けています。

 

そもそも量の確保と質の提供は同じではない。家庭学習を履修したと見做したところで、ゆっくり学ぶ子たちが決定的にこぼれ落ちるだけ。文部科学省何してくれてんだよって感じ。

 

一方で昭和20年は誰も学校で勉強できなかった。全共闘時期の大学も同様。それでもちゃんと大人になった。カリキュラムってなんだ?

 

ともかく若い先生には、過去に学ばず10年ごとのクライシスに右往左往する年寄りには適当に付き合って、じっくり教材研究できる時間をがっちり使いましょうと言っているのですよ。組織開発も今こそ必要。で、国語と校内研修づくりはぼくでよければ手伝いますよと 笑 声掛けてください。

 

suponjinokokoro.hatenadiary.jp

 

絶望とあきらめからスタートするということ

このところ、改めて、べてるの家に関わる様々な本の中のいくつかの言葉を反芻している。自分の過去のブログを読み直している。

suponjinokokoro.blog112.fc2.com

ぼくがべてるの家に何度か訪問したり、様々な著作を通して感じたことは、本当に深く絶望したり、どうしようもないとあきらめたするところからしか、拓けないものがあるんだ、ということかな。

少しずつ少しずつ、絶望しながら新しい本の校正も進めている。絶望が深いから、きっといい本になると思う。

映画に逢いに行く〜ラストレター

「コロナ疎開」というのだそうだが、それならぼくは真逆で、どうしても東京に一度戻らなければならないのだった。

4月の東京での仕事が全部なくなることがはっきりした。でもどうしても東京へは一度戻らざるを得ない。これで死ぬかも知れないというぼんやりした恐怖さえ感じる。それで考えたことは、この危急の状況を自分自身へと回収する、自分の物語が必要なんだ、ということだった。そんな風に思ったのは、多分いつか”聲の形”を観に行った時以来ではないかと思う。

本来なら関東関西北海道の主要館でたくさん上映されるはずだった岩井俊二の”ラストレター”は、このタイミングの封切りで本当に残念な流れになってしまった。そうだ、仙台へ行こうと思い立つ。オンラインの方々にもお話しして日程を変更していただいた。仙台のチネ・ラヴィータで上映していることは知っていたから・・・これを見て、夜行で東京へ戻ると決める。飛行機を仙台便に付け替え、多分乗客が少なくて早く着くはずだと読み(定時で着けば上映の最初には間に合わない)、飛行機に乗り、本当にギリギリ空港発の電車に飛び乗れて、無事に仙台駅に着く。会場は小さな映画館。昔ぼくが愛した旭川や北見の小さな映画館を思い出すつくり。ぼくを含めて5名。瑞々しい演技と映像が満ちる、素晴らしい作品だった。

いつからか、ぼくは物語を受け止めるのが難しい人間になった。物語を読めない。映画も見れない。全て自分の物語の一部として回収できないと、物語と向き合えない。物語に出会うことはさながら玉砕戦である。まさに、このタイミングしかなかったのだと思う。ここも明日で上映終了だ。

そういえば、”花とアリス”も、ぼくはわざわざ見に行った映画だった。札幌のシアターキノに、多分広尾から見に行ったのである。天才子役としてその名をほしいままにしていた鈴木杏と、まだほぼ無名だった蒼井優の二人の名子役、子役から大人へと変わる本当に一瞬の輝きを収めた素晴らしい作品だった。そして、鈴木を上回る蒼井優の才能に驚嘆する作品でもあった。

今作は、広瀬すずと、そして森七菜。森の才能が広瀬を凌駕する、とまでは思わなかったが、でも森がこれからの軸になる突出した才能であることは、ちゃんとわかった。輝きのある女の子であった。”花とアリス”を見た時、岩井は本当は女の子なんて大嫌いなのだなとしみじみと思った。リリーシュシュやスワローテイルで伊藤歩を映す視線にもそれを感じていた。でも・・・今作までの間に岩井とそれとの間には、年相応の温かなまなざしが滑り込むようになったのだなとも思った。

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ぼくは、旭川映画村時代に、シネマラソンの企画に、洋画好きのメンバーを説得して、岩井の”ラブレター”を入れた。今はなき北見東急の映画館で見たそれはぼくの生涯で何本かしかない深い記憶に残る作品だった。どうしても、自分の暮らす旭川で仲間たちと一緒に観たかったのだと思う。

今作は、その”ラブレター”へのある意味ではアンサーに当たる作品でもある。だからこそ、この危急の中、「ぼく自身にとって」ぼくの今を乗り切るための物語として、どうしても見ておく必要があると思ったのだった。。

作品は、”ラブレター”や”花とアリス”に比べると、ずうっとウェットであった。

叙情という言葉で語られることの多い岩井作品だが、そういう風に言うならば、少し叙情が過ぎるとも思えた。登場人物たちが、随分と泣くようになった。だが、それは震災を経た仙台、岩井自身の出身地でもある仙台という場所を舞台にしたから、でもあるのだろう。監督自身が泣く場所を探していたのかも、代わりに泣いてもらうって、ロマンチシズムであり、ハードボイルドだなと、思った。

松たか子はよかった。中山美穂豊川悦司福山雅治の演技は、圧巻であった。神木隆之介くんはいつも通りの神木くんだった。

岩井らしい細かな伏線も随所にあり、おもしろかった。

手紙の仕掛けは、途中からある意味ではどうでもよくなったのだが、でもうまく機能していた。

それにしても・・・

いつから、ぼくにとって、映画は逢いに行くものになったのだろう。多くのエネルギーやら時間やら感情やらを打ち込んで意を決して見に行くもの、それが映画だ。

仙台東京の夜行バスも、もうすでにどんどん減便になり、最後のこの一本も後数日でなくなるようだ。

この週末で、ぼくは今ぼくがいる東京という場所で、懸案の原稿の見直しを完了しようと思う。

 

支離滅裂だが、このまま直さずに書き残しておこうと思う。